仕事で使える英語力の基本は「英会話」よりも「英語を読む力」。英文記事を読むスピードが上がると、リスニングやスピーキングのスキルも上がり、英語の会議やプレゼンのレベルも向上。脳内の英語処理速度を大幅アップして、英語を仕事の武器にするための集中連載です。

 成功したいと思っている読者のみなさま! はじめまして。TORAEL代表の竹末研一です。

 英語リーディングに特化した特訓を開催していて、これまで2000人以上にニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルやエコノミストといった海外の一流紙の記事を「スラスラ読める」ようになってもらっています。その結果、TOEICのスコアが2カ月で300点アップした方もいますし、多くの方が2日で80点アップを達成しています。短期間に英語力を上げるコツを、このコラムでもお伝えしていきますね。

「英会話がペラペラになればキャリアアップできる」?

 初めに、「なぜ英語を読む力が重要なの?」という疑問にお答えしましょう。

 みなさんは、「英会話ができると昇進できる、キャリアアップ転職ができる、給料が上がる」と思っていませんか? それは甘いです

 大金をはたいて英会話学校や語学留学、ワーキングホリデーで学び、英会話が不自由なくできるようになった方でも、給料は上がらないことが多いです。

 実は、英会話が不自由なくできても、ビジネス文書がスラスラ読めないと低賃金の職にしか就けないからなのです。これは海外で働く場合には顕著です。英語を生かして働こうというワーキングホリデーでも実際にはウェイターやウェイトレス、ゴミ回収の仕事などをしていたという人もいます。

 医師でも、海外では、その国の医師免許を取得するために読解テストがあります。ベテランの日本人のお医者さんが第2の人生を過ごすためにオーストラリアに移住したものの、3年間もアルバイト生活を余儀なくされたという話も聞きました。現地の医師免許の取得に必要なIELTSのスコアを取れなかったからです。

 なぜ英語を「読める」ことが重要なのでしょうか? これは、日本語に置き換えると簡単に分かります。日本語のビジネス文書を読んで、素早く正確に理解できない人は仕事がスムーズに進まないですよね。ビジネス文書はセールス、提案書、契約書、すべて「書き言葉」がベースです。ビジネスはいわば日経新聞の記事のような文体、「書き言葉」のやり取りで進んでいくのです。