仕事で使える英語力の基本は「英会話」よりも「英語を読む力」。英語が読めると、日本語に翻訳されない圧倒的な質量の情報を直接取りに行けるようになります。脳内の英語処理速度を大幅アップして、英語を仕事の武器にするための集中連載の第2回です。

 成功したいと思っている読者の皆さま、こんにちは。TORAEL代表の竹末研一です。

 TORAELでは英語リーディングに特化した特訓を開催していて、これまで2000人以上が海外の一流誌の記事を「スラスラ読める」ようになっています。短期間に英語力を上げるコツを、このコラムでもお伝えしていきますね。

 さて、仕事を始めるときにまず何をしますか? まずは、関連する資料を読むなどして情報を集めるのではないでしょうか? もし良質な情報があれば、当然ながら良い仕事ができますね。

 受講生に人材関係の仕事をしている40代の女性がいます。服飾関係の専門学校出身の彼女は英語がほとんどできず、日本で会社員として働いていました。ところが英文記事が読めるようになって、海外のチャンスに気づきます。

 彼女は会社員を辞めて、昨年から中国のITの中心地、深圳に単身で乗り込んで仕事をしています。深圳は中国ですが、欧米留学帰りのいわゆる「海亀族」が活躍する場所で、英語でビジネスが進みます。書類もビジネスディスカッションも英語で大丈夫です。彼女はすご腕のIT技術者の転職をあっせんするヘッドハンターとなり、会社員時代の数倍の年収を稼いでいます。

 英文の情報を生で、大量に読めるようになると、日本語には翻訳されていない世界の最新情報を直接取りにいけるようになります。

英文を読むスキルが上がると、情報収集力が大幅にアップする
英文を読むスキルが上がると、情報収集力が大幅にアップする

英語の情報をいち早く知ってチャンスに気づく

 例えば最近では、こういう記事がありました。

Musk moves into insurance to cut premiums for Tesla owners
(イーロン・マスク、テスラ車オーナーの保険料を下げるため保険に進出)
FT Sep 3, 2019

 最近では東京でもしばしば見かける、電気自動車のテスラ。完全に電気で動く上に、高度な自動運転機能も備えています。自動運転は危ないと思いきや、脇見運転や酔っ払い運転をしないので、自動車整備工場も困るほど事故が少ないのだそうです。

 そこで、大量の走行データを持ち安全性に自信があるテスラは、割安な自動車保険を提供することにしたというのです。これから保険、自動車関係の仕事、私たちのクルマ選びも変わっていく予感がしますね。

 視点が異なる分析記事としては、こんなものもありました。

The Future of Mobile Chatting: Commerce
(モバイルチャットの将来:e-コマース)
WSJ.com Jan 4, 2016

 2011年からチャットアプリでは中国が最先端で、2015年にはアプリを通じて友達に送金したり、QRコード決済をしたりすることが一般的になっていました。この記事ではシリコンバレーの投資家たちが、中国での爆発的な成功をコピーしようと画策していることが報道されています。

 ご存じのとおり、日本では2019年からPayPay、LINE PayなどQRコードを使った決済や友達への送金などが急増しました。しかしフェイスブックはもっとすごいことを発表しています。国に依存しないデジタル通貨を普及させるというのです。

Facebook unveils global digital coin called Libra
(フェイスブック、世界的なデジタル・コイン、リブラを発表)
FT.com June 18,2019

 「英文を読む」ことへのハードルが外れると、こうした情報をいち早く知ることができ、情報収集力において有利になります。仕事の幅も劇的に広がることでしょう。