「魔のツール」から離れるには

 では、「魔のツール」であるSNSから一旦離れ、勉強や読書など、皆さんが「本当はやりたかったこと」を始めるにはどうすればよいのでしょうか。もし勉強や読書がSNS以上に手軽で楽しく、所属欲求や承認欲求を満たすものであれば、人は自然にSNSを使わなくなりますよね。しかし、勉強や読書によって上がった成果によって、達成感を得られるのはずいぶん先のこと。画面を開けばすぐに楽しめてしまうSNSにはどうしても勝てません。

 作戦としては、SNSを使うまでのハードルをとことん上げること、つまり便利に使うことができなくしていくことを意識するのがおすすめです。

SNS依存から抜け出す3つの方法

(1)SNSのアイコンを消すor隠す

 スマホのホーム画面の、一番クリックしやすいところにSNSのアイコンが置いてある人は多いと思います。思い切って、これを消してしまいましょう。「それは無理!」と思う人がいたら、カテゴリ分けをしたり、何度か画面をスクロールしないとたどり着けない位置へと移動させたりして、アクセスにかかる「手間」を増やします。そうすれば、その途中で「ブレーキを踏むこと」を考える余裕が生まれます。

(2)「自動でログイン」にしない

 IDやパスワードを毎回入力しなくてよいように、たいていは「自動でログイン」できる設定にしているのではないでしょうか。これもオフにしましょう。とにかく「なんて不便なんだ。こんなに手間がかかるならやめておこう」と思えるくらい、とことん面倒を増やすのがポイントです。逆に、自分の勉強や読書をするためのツールは、SNSを見るためのスマホやパソコンよりも手に届きやすい場所に置いておくと効果的ですよ。

(3)「区切りの儀式」を行う

 それでも、どうしてもSNSを開いてしまうという人には、まず「漫然と眺めてしまっている自分」を自覚するのが第一歩です。「あ、見ているな」と思い当たった瞬間に、例えばパンッと手を叩く。とりあえず一度スマホを離して、その場で立ち上がってみるのもいいと思います。自分で気持ちを切り替える方法を決め、儀式化しましょう。「たとえSNSを見てしまったとしても、区切りの儀式をしたらやるべきことに戻る」という風に習慣づけるのです。