「他力」に頼るのは悪いことじゃない

 そこで登場するのが「他力」です。

 自分以外の何かに頼るというと、よく責任逃れをしているという意味で受け取られてしまうこともあります。しかしこの「他力」を使いこなせるようになれば、自然な流れで周囲を味方に付けることができるのです。

 実際、結果を残している成功者の多くは、自力だけで一つのことをやり遂げようとはしていません。他力を上手に使っています。

 私が提唱する「他力」には、「自分以外の人」だけでなく、システムや情報、環境も含みます。例えば「小学校」も他力を活用した組織。独学ですべての教科を学ぶのは困難ですが、授業・教科書・テスト・宿題・時間割などの「システム」があるからこそ、たった6年間で基礎的な学力が身に付くのです。

 さらに、「自分のもの」だと皆が思っているにもかかわらず、なかなか上手にコントロールできない自分自身の思考や感情、体もその一つとして捉えます(この点については、次回以降で詳しく説明します)。