やるべきことは何となく分かっていても、腰が重い、続かない、理想通りにできない…。行動心理コンサルタントの鶴田豊和さんが、そんな状況を突き抜ける方法を教えてくれる本連載。第3回で取り上げるのは、英語力を上げるべく思い切って自己投資をしたのに、学習習慣が身に付かないという「ダメダメ」例です。

 今月のお悩み: 
「将来のために英語力を身に付けたくて、思い切って英語学校へ高い授業料を払った。でも、結局続かない。私って、どんだけ根性ないの?」

自分のことは、自分でコントロールできる?

 今回のお悩みのように、「自分で決心したことなのに、なかなか継続できない。そんな自分にがっかりした」という経験は、おそらく誰にでもあるのではないでしょうか。

 連載第2回では、だからこそ「自力」だけでやり切ろうとするのではなく「他力」を頼ろう、という話をしました。自分以外の人を頼ったり、システムや環境を上手に活用したりすることが大切なのでしたね。さらに私は、自分自身の「体」や「思考」、「感情」も他力の一種だと考えています

 「自分のことは、自分でコントロールできるはずでは?」と疑問を感じる人もいるかもしれません。でも、よく考えてみてください。

 「体」について言えば、どうしても居眠りしてはいけない状況に置かれているのに、まぶたは言うことを聞かず下がってくること、ありますよね。「絶対に泣かない」と心に決めていても、ひとりでに涙がこぼれることだってあります。

 「思考」も自分ではコントロールできないものです。とても心配なことが頭の中にあるとき、「このことについてはもう考えない!」と思いながらも、結局1日中、考えずにはいられなかったということはありませんか? 「感情」も同様です。「これから1週間、何も感じないでください」なんて言われても、無理ですよね。

 つまり、自分の「体・思考・感情」は、他人のそれと同じくらいに、コントロールすることが困難なもの。英語の学習が習慣化しないという今回のお悩みの原因も、決して根性がないとか、意志の力が弱いとかいったことではないのです。

 では、どうすれば「他力」としての自分自身を上手に動かすことができるのか。2ページ目以降から詳しく解説します。