仕事、恋愛、家事、そして待ち構える出産や育児…。20~30代には、考えなければいけない将来の「不確定要素」がたくさん! タイミングやバランスをあれこれ考えるうち、何を基準にパートナーを決めればいいのか、迷いが生じてしまうことも。さまざまなパートナーシップのあり方を取材する本連載、第2回は付き合って約1カ月で「スピード婚」をした西山照美さん・友康さん夫婦。その関係構築術とは?

西山照美(にしやま てるみ)さん・37歳
岐阜県出身。小売関係の企業に新卒で入社し、名古屋支社の人事部に配属される。結婚と同時に上京し、同業他社へ転職。その後も人事部で活躍し、現在は3社目。定番料理が得意で、マーボー豆腐は家族のお気に入りメニュー。

西山友康さん(にしやま ともやす)さん・46歳
大阪府出身。新卒で地元大阪の不動産会社に就職し、総務部に配属される。その後上京し、照美さんと同じ小売企業に就職。その後転職し、現在はレンタルオフィスなどを展開する企業に勤務。得意料理はスパイスから作るインドカレー。

初めは「天敵」だった!?

 2人の出会いは2005年12月。当時、同じ会社に勤めてはいたものの、照美さんは名古屋支社勤務、友康さんは東京本社勤務だったため面識はなかったそうです。年末の忘年会でたまたま近くの席に座ることになり、初めて会話をしたといいます。

 しかし、お酒が回り過ぎてしまった照美さんは、友康さんの背中をバシバシとたたきながらマシンガントークする展開に。友康さんは「失礼な人だな、と。正直、第一印象は最悪でした」と振り返ります。

 そして翌月、照美さんが東京へ出張する機会があり、オフィスでばったり再会。忘年会での出来事を根に持っていた友康さんは、仕返しに照美さんの外見をからかいました。すると、その言葉にいらだった照美さんは「本気で殴り返した」のだそう。どちらかといえば「天敵」のような関係だったこの2人が距離を縮められたのは、お互いに別の相手との恋愛を応援し合う展開になったからでした。

 「当時、友康さんは私の友人に好意を持っていたんです。一方では別の友人が私に対して好意を持っていたこともあって、お互いの恋の成就を願いながらダブルデートをすることに(笑)。何度か食事に行ったり、遊園地へ遊びに行ったりしていました」(照美さん)

 「でも、私の恋は実りませんでした。5回くらい告白したんですけど、いつも『ありがとう』と言われて終了。照美さんも、もう一人の友人と付き合うことはなく……。それからしばらく友人関係が続いたんですよ」(友康さん)

付き合った理由は「何となく縁を感じたから」

 2人が急接近したのは、友康さんがプライベートで名古屋を訪れたときのこと。落ち合って食事をし、その後カラオケを楽しんでいたはずが、なぜか大ゲンカに。一度は別れたものの、帰宅途中でたまたま不審者に付け回された照美さんが助けを求めて連絡し、友康さんが駆け付けることになるハプニングがありました。

 「そのときに何となく縁を感じ、以後『会おう』と声をかける回数が増えました。突然熱い思いがこみ上げてきたというよりは、食事を重ねるうちに大切なパートナーとして見るようになった感じですね」(友康さん)

 「最初は付き合うなんてありえないと思っていましたが、コミュニケーションを重ねるうちに気持ちが変わってきました。一緒にいると素直に面白くて、肩に力が入らない相手だったんです」(照美さん)

 話を聞いていると、何かとぶつかってばかりの2人。どうして結婚し、約10年もの生活を共にするパートナーシップを築くに至ったのでしょうか。そのいきさつと、2人ならではの関係構築術は2ページ目から紹介します!

プロポーズは付き合って1カ月の頃だったという「スピード婚」夫婦。駆け足で決めたパートナーと、よい関係を築けている理由は?
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