起業家、投資家、アクティビストという肩書を持つ山本和奈さん。山本さんが今、考えていること、実践していることに迫ります。前編のテーマは、ベルリンに住むことにした理由です。コロナ禍で日本での生活に縛り付けられる束縛感や、リモートワークが浸透したことにより、働く場所の自由を得た解放感を持つ人は増えているのでは? 自分の意志で、住む場所や働く場所を自在に変えていく山本さんの姿はとても刺激的です。

(上)アクティビスト山本和奈 チリ、ドイツに移住&連続起業 ←今回はここ
(下) 山本和奈 あえて不慣れな場所を選べば必ず成長できる

ベルリンは、欧州のスタートアップ業界のハブ

日本とドイツのビジネスにおける交流を深めるためのイベントに参加(右端が山本さん)
日本とドイツのビジネスにおける交流を深めるためのイベントに参加(右端が山本さん)

 皆さん、こんにちは、山本和奈です。2018年の年末、「ヤレる女子大学生RANKING」という特集を掲載した週刊誌への抗議活動が注目されたことをきっかけに、この勢いをジェンダー課題の解決につなげたいと思い、一般社団法人Voice Up Japanを立ち上げました。

 それ以前にも、大学時代に1年間留学していたペルーで、教育支援団体を立ち上げたり、帰国後、竹製歯ブラシなど環境に負荷を掛けない商品を製造・販売する事業で起業したり、チリで金融市場にブロックチェーンを導入するベンチャー企業を立ち上げたり……と起業の世界で活動を続けてきました。そして2022年5月からはドイツ・ベルリンに住み始めています

 スタートアップ業界では、シリコンバレーなど、米国の人気が高いです。確かに私にとっても、働く場所として米国は魅力的な選択肢ですが、今、米国では企業のバリュエーション(価値評価)が上昇しすぎていて、特にシリコンバレーではバブルが起きているともいわれています。

 欧州のスタートアップ業界内のハブは、英国・ロンドン、ドイツ・ベルリン、フランス・パリとなっています。