企業内の若手主体のチームに注目して取材する連載。第10回で取り上げるのは、みずほフィナンシャルグループ内で活動を進める7つの「ERG(社員リソースグループ)」の1つ、「コクリエ(CocreA)」。発起人の山泉亘さん(37歳)、コアメンバーの木下瞳さん(32歳)、共同代表の野田雅俊さん(35歳)に、活動内容と魅力を聞いた。

左から、コクリエ発起人の山泉亘さん、コアメンバーの木下瞳さん、共同代表の野田雅俊さん
左から、コクリエ発起人の山泉亘さん、コアメンバーの木下瞳さん、共同代表の野田雅俊さん

 企業の「Diversity and Inclusion」のテーマとして、最近注目を集めるキーワードが「ERG(Employee Resource Group)」だ。これは、社員が必要だと感じるグループを自主的に立ち上げ、アクションを取る活動を指す。

 みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)内で4つ目のERGとして「コクリエ(CocreA)」が生まれたのは、2018年7月。「テクノロジーとビジネスの関係性を学び、新たな価値創造を目指すこと」が活動の目的だ。

新しいデジタルツール活用への意欲が低かった

 コクリエ発起人の一人、みずほFG・リテール事業法人業務部の山泉亘さんは2018年3月に大手複合機メーカーからキャリア採用で転職してきた。前職で全社におけるクラウド化を推進した経験を生かし、みずほFG内のデジタル活用をけん引する役割を担っている。転職当初を振り返ってこう話す。

 「みずほの社員は、言葉を選ばず言えば、決まった手続きに従うことに精一杯で、新しいデジタルツールを活用して『より良くしよう』とするチャレンジ意欲がやや低いように感じました。私は前職でテクノロジーを使って商品・サービスや仕事の進め方を変革するということを経験していたので、『変わった先の世界』を知る人間としてやらなければいけないことがあると考え、この団体を立ち上げようと思いました」

「『変わった先の世界』を知る人間としてやらなければいけないことがあると考え、この団体を立ち上げました」(山泉さん)
「『変わった先の世界』を知る人間としてやらなければいけないことがあると考え、この団体を立ち上げました」(山泉さん)

参加者はあっという間に600人規模に

 同じ思いを抱くもう一人の社員とともに団体の立ち上げについて人事に相談したところ、ちょうど時を同じくして、みずほFG内でERGの設立を支援する動きが始まることを知った。「最初、メンバーは自分たち二人だけでもいいかな、という気持ちで始めました」。そんな山泉さんの予測に反し、あっという間に参加者が集まり、2019年下期に400人、2020年6月現在で約600人にまでに増えている。