企業内の若手チームに注目し、取材する新連載。第1回で取り上げるのは、JR東日本グループ会社横断で2013年に発足した若手の有志団体「team Fantasy-sta(チームファンタジスタ)」。共同代表の山岡史典さん(35歳)、メンバーの寺田菜々美さん(28歳)と岡志津さん(37歳)に活動内容とチームの魅力を聞いた。

パーティーピープルの集まり? 意識高い系の集団?

 「チーム名の『Fantasy-sta』はファンタジーにステーション(駅)を掛けた言葉です。JR東日本グループにとって『駅』は大事な場所。この駅をはじめとするグループ内の資産を生かしてファンタジーを実現するというのが、僕たちの存在意義です」(山岡史典さん)

チームファンタジスタの社内外の取り組みを紹介してくれた、JR東日本・東京支社・事業部に所属し、チームファンタジスタの共同代表を務める山岡史典さん
チームファンタジスタの社内外の取り組みを紹介してくれた、JR東日本・東京支社・事業部に所属し、チームファンタジスタの共同代表を務める山岡史典さん

 現在のメンバーは20~30人。アライアンスメンバー(チームのビジョンに共感し、応援する社員。勉強会に参加したり、チームのSNSをフォローしたりする)は約100人に上る。メンバーの世代構成は新入社員から30代後半ぐらいまで。女性が7~8割を占め、15人程度のコアメンバーを中心に活動している。

 チーム全体としての活動は月1回、第2金曜の20時から22時30分に開催する「Fミーティング」と呼ばれる定例会と、例年4月に1泊2日で開催される合宿のみ。その他の活動は、基本的には各メンバー個人を起点としているのが特徴だ。

2019年4月、長野県で開催した合宿での集合写真
2019年4月、長野県で開催した合宿での集合写真

 「JR東日本グループの中で自分なりにやってみたいと思うことを見つけて各メンバーが自ら挑戦するというのが私たちの活動の基本的な考え方です。その過程で悩んだり迷ったりしたときに定例会に来てメンバーに相談して、何らかの解決策を見つける。そんなチームファンタジスタは、私にとっては安心できる駆け込み寺のような存在」というのは、寺田菜々美さん。

「チームファンタジスタは、私にとって駆け込み寺のような存在」(JR東日本・長野支社・運輸部・事業課の寺田菜々美さん)
「チームファンタジスタは、私にとって駆け込み寺のような存在」(JR東日本・長野支社・運輸部・事業課の寺田菜々美さん)

 寺田さんがこの会に参加したきっかけは、2016年に入社したとき、当時のチームファンタジスタ代表から「定例会に来てみませんか」というお誘いメールが届いたことだ。最初は「パーティーピープルの集まり? 意識高い系の集団?」と半信半疑だったが、試しに参加した定例会で魅力にはまった。

 「定例会ではメンバーが個々に行っている社内外の取り組みを、順番にプレゼンしていくんです。今、自分はこんなことをやりたいと思っているけど、こんなことに悩んでいる、とか。それについて、周りから意見やアドバイスがポンポン出て。誰かが何かを追及されたりはしないんですよ。上の年次のメンバー相手にも実のきょうだいみたいに本音が言えるんです。社内のさまざまな情報も集積されていて、職場では得られないものがこの場所にはたくさんあると感じました」(寺田さん)