企業内の若手チームに注目し、取材する連載。第3回で取り上げるのは、パナソニック社内で2016年に新設された部署「FUTURE LIFE FACTORY」。2019年4月からこの部署のメンバーになった白鳥真衣子さん(26歳)と東江麻祐さん(29歳)に活動内容とチームの魅力を聞いた。

「新しいものを創造したい」とトップに直談判

 パナソニック社内の若手社員を中心とした部署「FUTURE LIFE FACTORY(以後、FLF)」をご存じだろうか。この部署は「未来の豊かさを問い、具現化するデザインスタジオ」とされ、現在、20代の女性2人、30~40代の男性4人の合計6人で構成されている。

 FLFが誕生したのは2016年。家電や空調機器などを製造するパナソニック アプライアンス社(滋賀県草津市)で商品を先行提案するチームに所属する若手社員たちが、「新しいものを創造したい」とデザインセンター所長の臼井重雄氏に提案。それを受けて2015年に東京に作られた拠点が発祥となっている。

 当初は、それまでと同じく、社内の商品デザインを手掛けるだけにとどまっていたが、それでは東京に拠点を設けた意味がない。もっと「外」とコラボレーションしながら新しい取り組みをしていこうと、部署としてFLFが新たに設置されることになった。そこに最初に配属されたのは、20~30代のアプライアンス社の若手社員6~7人だ。

 この部署に在籍する任期は約2年間で、メンバーは順次入れ替わる。2019年3月まではアプライアンス社の家電部門のデザインセンター社員だけが配属されていたが、同年4月からはカンパニーの枠を超え、全社のデザイン部門に格上げされ、アプライアンス社に限らず、さまざまな部署から主にデザインを担うメンバーが送り込まれるようになった。現在は、同じく社内カンパニーのコネクティッドソリューションズ社、ライフソリューションズ社、アプライアンス社の3社から送り込まれたメンバーがそろっている。