企業内の若手チームに注目し、取材するこの連載。第14回で取り上げるのは、ワン・コンパス(東京都港区)の新規事業「カジドレ」。プロジェクトオーナーの渡邊雄太さん(36歳)、デザイナーの渡辺元紀さん(37歳)、開発担当の山﨑あおいさん(26歳)にチーム発足の経緯や事業内容、今後の展望を聞いた。

「家事代行の関連事業を立ち上げてみないか」

ワン・コンパスの「カジドレ」事業メンバー。左から、デザイナーの渡辺元紀さん、プロジェクトオーナーの渡邊雄太さん、開発担当の山﨑あおいさん
ワン・コンパスの「カジドレ」事業メンバー。左から、デザイナーの渡辺元紀さん、プロジェクトオーナーの渡邊雄太さん、開発担当の山﨑あおいさん

 凸版印刷のグループ会社であるワン・コンパスは、地図サービス「Mapion(マピオン)」と電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の事業を2大柱として運営している。新たな事業の柱として経営陣が目を付けたのが、家事代行業界の新サービスだ。

 同社広報によると、社長の早川礼さんとCMO(最高マーケティング責任者)の山本広樹さんはともに夫婦共働き世帯。二人で家事代行事業の将来性について語り合ったことが事業誕生のきっかけだそう。

 企画担当の渡邊雄太さん(現・メディアサービス本部 新規事業開発部 新規事業開発1グループ所属)が会社で山本さんに、「ちょっと一緒にコンビニに行こう」と誘われたのはその後間もなく。その道すがら、「家事代行事業をやってみないか」と切り出された。

 「正直、そのときは家事代行というワードは私の頭には全くなかったんです。『1日、考えさせてください』と言った後、家事代行について自分なりに調べました」(渡邊さん)

新規事業に携わりたい

渡邊雄太さんは、O2O(オーツーオー:Online to Offlineの略。オンラインのサービスから店舗などのオフラインでの購買行動に影響を及ぼす施策)に興味があり、8年前にマピオン(現・ワン・コンパス)に転職した
渡邊雄太さんは、O2O(オーツーオー:Online to Offlineの略。オンラインのサービスから店舗などのオフラインでの購買行動に影響を及ぼす施策)に興味があり、8年前にマピオン(現・ワン・コンパス)に転職した

 渡邊さんはもとから「新規事業に携わってみたい」という思いが強かった。それまで家事代行サービスにはあまり縁がなかったが、自分自身も5歳の子どもを持つ共働き世帯でもあり、いちユーザーの目線で取り組むには興味深い事業だと感じた。そして、翌日「やらせていただきます」と回答した。それが2019年9月のことだ。