筋トレで得られる「最高の感覚」

 もともと、自分自身で目標を定めて、それに向けて努力を積み重ねていくことが好きなストイックな性格だと自任する阿部さん。毎日、子どもと一緒に午後9時半には就寝し、起床は午前3時半。朝食や身支度を済ませ、出勤前の1時間ほどをトレーニングに費やすという暮らしぶりを聞くと圧倒されてしまいますが、大切なのは「筋トレを『好きでいること』です」と強調します。

 そのためにどんなことを心掛けているのか、教えてもらいました。

(1)食事は節制し過ぎない

 競技者だと聞くと、食生活も常に厳しく節制しているとイメージしがちですが、コンテスト直前の1カ月を除けば、「決まりごとはザックリしたもの」なのだそう。「炭水化物はパンや麺より脂質の低いご飯を、たんぱく質を取るときには、脂質が多い豚肉より鶏の胸肉や牛肉の赤身をチョイス。おやつを取るときは、洋菓子ではなく和菓子やフルーツに。日ごろから気を付けているのはそれくらいです。自分の体や心に嘘をつくと長続きしないので、1週間に1~2回は好きなものを食べる日も設けています

(2)「自分のために頑張っている自分」を感じ、喜ぶ

 トレーニングで体を追い込んでいく際には、「今の自分の限界」の一歩先まで踏ん張ることになるので、当然つらいときもあります。でも、仕事では「会社員として」、家庭では「母親として」頑張る阿部さんにとって、「自分のためだけに努力できる時間」はかけがえのないものだと感じているそう。「一歩踏ん張った先の爽快感は、トレーニングでしか得られない最高の感覚だと思います。その喜びをしっかり感じるからこそ、努力を続けることも可能になるのではないでしょうか」

新年の初めに、目標を立てるのが恒例になっているそう。「ふとした瞬間に目に入る場所に貼っています。あ、目標に向かって頑張れているな、と感じられるとそれが喜びに変わるから」(阿部さん)
新年の初めに、目標を立てるのが恒例になっているそう。「ふとした瞬間に目に入る場所に貼っています。あ、目標に向かって頑張れているな、と感じられるとそれが喜びに変わるから」(阿部さん)