日々の仕事に励みながら、筋トレやエクササイズに熱中する女性たちに迫る本連載。最終回の第6回は、パーティードレスのレンタルサービスを手掛けるアンドユーを起業した松田愛里さん。コロナ禍で自宅トレーニングが中心の日々に切り替わりましたが、「QOL(生活の質)はむしろ上がった」と語ります。

起業をきっかけに筋トレ本格化

 もともと、運動することは「とりわけ好きというわけではなかった」という松田愛里さん。高校時代にカナダへ語学留学をした際、体形が極端に変わってしまったことをきっかけに、トレーニングによる体づくりを意識するようになりました。

 「留学期間は1年半ほど。今より20キロは太っていたと思います。主な要因は、食習慣。それほど暴食していたつもりはなく、周囲と同じものを自由に食べていただけという感覚でしたが、家族にも驚かれるほど体形が変わってしまいました。当然のことながら、運動をしないと理想のスタイルは保てないな、と自覚。帰国してから、ジムに通ったり、岩盤浴へ行ったりするようになり、徐々に体を絞っていきました」

 ところが、大学卒業後、就職してからは仕事に追われる毎日に。ジムに入会してもほとんど足を運ぶことができない「幽霊会員」状態になってしまいました。仕事で疲れた状態で、さらにジムへ行って体を動かすということは、おっくうにしか感じられなかったといいます。

 そんな松田さんが、ジム通いを再開し、しかも以前より本格的にトレーニングに励むようになったのは約1年半前。それは、勤め先の新規事業提案制度で自身のアイデアが採用され、入社5年目でいきなり「社内起業」をすることになったタイミングと重なります。

 仕事が忙しくて続けられなくなったトレーニングに、なぜ「さらに忙しくなった状態」で力を注ぐことができるようになったのでしょうか。

写真は松田さん提供
写真は松田さん提供