日本の根幹である教育についてはどうか

 石破茂氏の政策記者会見で、私は教育についての質問をするため手を挙げ続けた。が、会見終了の時間がきてしまい、断念。しかし、石破氏を支持する議員さんが「個別の政策については、我々も受け付けます」と、会見の最後に案内。次のような質問をした。

 「安倍内閣では、働き方改革を旗印に進めてきましたが、教員の働き方はいまだ改善されておらず、過労死ラインを超えて働く先生がいまだに全体の約半分もいます。残業代の支払いを求める声も多くあります。これに対して、総裁になった場合、具体的にどのように対応を考えていらっしゃいますか?」

石破茂氏の政策記者会見
石破茂氏の政策記者会見

 私が質問した議員のA氏は、「正直この分野については詳しくない」と答え、「法律にのっとって適切に」といった回答をされそうになる。そこで私は「学校の先生だけ、残業代が支払われないことが法律で明記されています」と言ったところ、「そうなの?」と議員A氏は一言。「給特法(きゅうとくほう)*と呼ばれるものです」と私が続けると、その場で調べてくれた。

*「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の略称

 「プログラミング・英語など新しい学習内容が増える中で、教員の増員をするという措置がとられなかったことが問題だと思います」と伝えると、「それは問題だね」と議員A氏。「石破さんはこの分野の意見をお持ちだと思いますが」と前置きした上で、「ICT化の促進も必要ですね」とA氏。

 私は「学校の休業措置が取られたときは、自宅学習タブレットなどの端末を活用していた学校もあるが、まだまだ一部。活用していた学校も、学校内では有効活用せず、休校時にのみ活用しているケースが多い。これは私の私見ですが、本来の普及のためには、学習指導要領の改訂とセットでやらないとダメだと思います」と伝えたところ、返答は「検討します」。

 実際に検討してもらえるかどうかは分からない。教育政策についての議論が少ないのは、今までの世間の関心の薄さなどが招いた結果だろう。教育分野に疎くても立候補できるし、記者から突っ込まれることもない。社会問題がたくさんある中、全部の分野に精通することは無理だろう。しかしながら、この国の根幹である教育についてあまり語らなくていいという総裁選を、私は見たくない