今年7月末に、NHKを退職したたかまつななさん。現在は時事YouTuberとして活躍する彼女が、総裁選の取材を通して見たものとは。緊急寄稿いただいた。

総裁選取材で見えたもの

 私は今年の7月末に、NHK報道局のディレクターを辞めた。

 そして、長い間関心を持ち続けていた「政治を若者の身近に届ける」ために、時事YouTuberに転身。その矢先に、安倍晋三首相が辞任した。

 今回私は、自民党総裁選の記者会見を「フリーの記者」として取材した。フリーの立場では取材できない場も多くあったが、菅義偉氏、岸田文雄氏の出馬会見、石破茂氏の政策会見を取材できた。

 NHKでは政治部記者ではなかったため、政治家の記者会見取材には行かなかった。政治関連でいえば、私の専門分野である教育分野のレクチャーを、議員の方から個別にお願いされることぐらい。しかし、記者会見に行ってみて驚くことが多々あったので、お話ししたいと思う。

会見での女性記者の少なさにがくぜん

 まず、会見に行くと、女性記者が少ないことに驚く。ざっと見渡しても、全体の1割もいないと感じた。少なすぎる。

菅義偉氏の出馬会見
菅義偉氏の出馬会見

 記者会見では、男性記者から「経済政策」「コロナ対策」「外交の問題」「安倍元首相の政策を継承するのか」を中心とした質問が飛び交う。また、地方新聞からは沖縄の基地問題、北方領土問題など、自分の地方にまつわる問題などが問われた。

 「女性活躍」「教育」「子育て」に関する質問は、驚くほど数が少なかった。女性活躍が遅れるのは、ここに女性のベテラン記者を送り込まないマスコミにも責任があるように感じた