「自分の子どものため」から始めていい

 このことから、「何のため」という目的が明確なほど、行動が推進されることが分かります。また、「困っている人の役に立ちたい」という動機は、「受容性」の高い人を動かす動機になり得るということです。

 「受容性」の高い人は、「身近にいる人を幸せにしたい」という夢からスタートして、大きく広げていくとよいでしょう。

 以前、一緒に仕事をさせていただいたある経営者(受容性と凝縮性が第一・第二因子)が語っていた言葉です。

 「大欲は無欲に通じる」

 最初は、「自分の子どもの幸せのため」が働く理由でもいいのです。そこから発展させて、「自分の子どもの友達が不幸せだと、自分の子どもも幸せを感じないから、友達の幸せも願う」→「その友達の家族が不幸せだと、友達も不幸せなので、その家族の幸せも願う」→「その家族のご近所が不幸だと、その家族も不幸なので、その友達家族のご近所の幸せも願う」→「その地域の人たちが不幸だと……」というふうに、さらに、さらに、と広げていきます。

 つまり、「欲」を大きく広げていけば、世界の人々の幸せを願うことになる。その結果、「全ての人の幸せ」を願うことになれば、ある意味で「無欲」に通じる、という教えなのです。

 「受容性」の高い人は、もし「自分には強い志がない」と感じても、気にする必要はありません。自分軸で動くよりも、「身近な誰かのため」に頑張れることが、「受容性」らしさなのです。

 「身近な誰かのため」から始まった夢も、その周囲へ広げていけば、多くの人に貢献する仕事ができるはずです。そのレベルまで突き抜けられれば、社会を変える力にもなるでしょう。

2巻#15「万事OK」

© Chuya Koyama/Kodansha
(構成:前田 はるみ

※この記事は、日経ビジネス電子版の連載「『一歩踏み出せない』あなたをエースにする方法」を転載しています。