子宮を守るため、年に1度の検診がお勧め

 子宮頸がんのリスクから身を守るもう一つの方法は、早期発見のために定期的に検診を受けることです。検査は、産婦人科の内診台で、膣(ちつ)に金属製のクスコという検査器具を入れて、子宮の出口をブラシでこすって細胞を採取します。検査は短時間で終わり、リラックスしていれば痛みはほとんどありません。

 「がんのリスクのある他の臓器は直接触ってチェックすることはできませんが、子宮は体の外から簡単に触れることができる数少ない臓器。こすって細胞を採るだけで簡単にチェックできますから、検査を受けないのはもったいないです」と高橋さん。

 がんになる前の前がん状態のうちに治療してしまえば進行も防げます。「子宮の細胞を自分で採取して検査に出すキットも販売されていますが、普通の人が必要な部位の必要な量の検体をしっかり採るのは難しく、がんを見逃すリスクもあります。産婦人科で検査をすることをお勧めします」

 高橋さんがベストだと言う検診頻度は、1年に1度。「厚生労働省が推奨するのは2年に1度ですが、1度の検診で異常が見過ごされる可能性はゼロではありませんし、早期発見して妊孕性(『にんようせい』、妊娠する力)を残すことを考えると1年に1回が望ましいです。長い間進行が放置され、次の検診までに周囲の臓器にまで広がってしまう浸潤がんになったケースも見たことがあります」。検診が1年に1度でも、2年に1度でも子宮頸がんによる死亡率は変わらないというのが、厚生労働省が推奨の頻度を決める根拠といいます。

 「ただ、これはあくまで死亡率で比較して推奨される検診間隔です。死に至らないケースには、子宮を全摘する手術を受けた人も含まれます。より初期で見つけることができれば子宮を取らずに済む可能性が高いので、子どもを産む前の20代、30代こそ、1年に1度は検査してほしいですね」