月経困難症は病気です! ピルの健康保険適用も

 では、婦人科で生理が重いことを医師に相談したら、どのような治療を受けられるのでしょうか。「検診で明らかな異常や病気が見つかれば治療を行います。そうでなければ、10代から30代の女性で特定の病気などの禁忌がない人には、低用量ピルの服用を勧めます」

 生理の出血は、毎月の排卵後に子宮内膜が厚くなり、卵子が着床しなかった子宮内膜が剥がれ落ちることで起こります。その際に、子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンが出て、経血を外に出すための子宮収縮を促すことが主な痛みの原因です。低用量ピルは、子宮内膜を薄くすることでこのプロスタグランジンの排出を抑制。また、子宮内膜が薄くなることで子宮頸部を通る経血の量が減り、生理痛が緩和されるそうです。

 「生理痛が重くて私生活に支障をきたしたり、仕事のパフォーマンスに影響が及んだりしたら、それは月経困難症という病気です」と高橋さん。月経困難症と診断されると保険が利くため、ピルの種類によっては健康保険内で処方してもらえるそうです。

 「ピルは子宮内膜を薄くするので、子宮内膜症の発症や悪化も防げます。今は、昔より女性の出産回数が減り生理の回数が多くなったため、子宮内膜症にかかる人や、子宮内膜症が原因のがんも増えています。ピルを飲める人は、痛みがあってもなくても、生理のコントロールや病気の予防のために服用することを勧めます