「デブ!」と笑われた日

 幼いころ、私はシャイで無口な子どもでした。外遊びよりもお絵描きが好きなインドア派。いつから自分が太り始めたのかは覚えていませんが、3歳ごろの写真を見る限りは普通体形です。

3歳のころの吉野さん(写真は吉野さん提供)
3歳のころの吉野さん(写真は吉野さん提供)

 自分としてはその後も、何の違和感もなく生きていたつもりでした。でも4歳くらいのとき、保育園のお遊戯会か何かで居合わせた年長組の男の子に「うわー、あの子デブ!」と笑われたときのことを鮮明に覚えています。おそらく、そのころから太り始めたのだと思います。

 確かにおいしいものを食べることは好きで、祖母と一緒におやつを食べる時間は日々の楽しみでした。でも当時、それが太ることにつながるとは思っていなかったのです。両親には「大人になったら背も伸びるから大丈夫だよ」となだめられていましたが、からかわれたことがショックで、少しずつ他人の顔色をうかがうようになっていきました。