社会から押し付けられる美の基準から自由になり、ありのままの自分の体を愛そうという「ボディ・ポジティブ」のムーブメントが今、世界中で広がっています。皆さんは、自分の体について考えたことはありますか。「痩せたい」と思う? 憧れるのは、どんな体? 何より、「私の体は私のものだ」という実感を持つことはできていますか。プラスサイズモデルの吉野なおさんと一緒に考えていきましょう。

 日経doors読者の皆さん! 初めまして、吉野なおです。

 1986年・東京出身、大好物は北海道土産『マルセイ バターサンド』ですが、1日の摂取上限は1個までと心に決めています。『神は天と地を創造し、それからマルセイバターサンドを作った』と言っても過言ではないおいしさで、東京では物産展だけで出合える貴重な存在を、食べ過ぎて当たり前の存在にしたくないからです。つまり、どんな愛にも適切な距離感が必要だと私は思います。

「プラスサイズモデル」とは

 さて、そんな私は『Nao』というモデルネームで、プラスサイズモデルをしています。

 すでに知っている人もいるかもしれませんが、『プラスサイズモデル』とは、大きいサイズのファッションモデルのこと。

写真は吉野なおさん提供
写真は吉野なおさん提供

 かつてファッション業界では細身のモデルが当たり前でしたが、ふくよかな体形の女性にとって、よりリアルで参考になるアイテム選びができるよう、プラスサイズモデルという新たなジャンルが欧米で確立されました。

 日本でも2013年に『ラファーファ』(文友舎)というプラスサイズ女性のためのファッション誌が創刊され、私はそのラファーファや、アパレルブランドの広告モデルをしています。