「思い入れ」と「物作り」の両輪で

 共同創業者であり、デザイナーのmina(ミナ)は多摩美術大学の同期で、彼女の「こういう製品を作りたい」という思い入れを、私が実現するという役割分担で、二人で両輪となってやっています。ユーザーに届けたいクオリティーを、可能な範囲のコストで実現するために、二人でいい意味で戦い合いながら、いい落としどころにたどり着けたかなと思っています。

 minaとは在学時は交流がなかったのですが、大学を卒業した2018年の終わりぐらいに、共通の友人を通して親しくなりました。彼女が卒業制作で生理用品のリブランディングを手掛け、それを「製品化したいよね」というところから事業を始めました。

 今回のプロジェクトのキーパーソンはminaです。

 「起業」というと、まず自分がアイデアを持っていて、そのアイデアを自分と一緒になって実現してくれる人を探すイメージが強いかもしれませんが、今回は、minaのアイデアが先にあって私がビジネスサイドを担ったかたちです。お互いにとって、お互いがいなければ実現しなかったと思います。

 「いつまでにこうしたい」という事業ビジョンみたいなものは特にないのですが、「こういう社会でありたいよね」という思いは二人に共通しているものがあります

 フェミニズムの文脈だったり、より多くの人が選択肢を持って生きることができる社会を望んだりする方向性が合致しているところが大きいです。こんなふうに価値観が共通している友達は大事ですし、私はそういう友達に恵まれていると思います。