この連載では、31歳の社会保険労務士・ふーみん先生こと細川芙美さんが、20~30代の働く女性が知っておきたい情報をお伝えしています。今回のテーマは「退職・転職時の6つの注意点」です。

転職時、顧客情報や機密データの持ち出しは厳禁

 先日、元ソフトバンク社員が「5G」などの営業秘密を持ち出して楽天モバイルに転職し、逮捕されたという衝撃的なニュースが報道されました。刑事事件として捜査が進められているだけでなく、ソフトバンクから楽天モバイルへの民事訴訟や、元社員への損害賠償請求なども検討されているようです。

 さて、私の友人・ヒカルはメーカーで働いていますが、スキルアップのために、今と同じ業界内の他社への転職を考えているので、この事件はショックだったようです。


ヒカル あの事件にはびっくりしたね。私も同じ業界で転職を考えているから怖くなっちゃった。

ふーみん 基本的に顧客情報や機密データなどを持ち出していなければ、同業他社に転職しても問題ないよ。でも、入社時に「競合他社へ転職しません」という契約を自分が結んでいなかったかどうかを確認しておいたほうがいいかもしれない。

ヒカル 入社時の契約を見直してみるね。あとは、退職も転職も私は初めてだから注意したいポイントも教えてほしい!

ふーみん 私たち世代が特に注意すべき項目として、転職先で取ることになるかもしれない育児休業とかもあるよ。この辺りをまとめて説明するね。


 入社時に雇用契約書を結ぶ際に、誓約書や秘密保持契約書などを併せて結んでいることが多いです。当時の契約書が手元にない場合、もしくは記憶にない場合は、まず同僚などに確認し、その後、人事部などに問い合わせることをお勧めします。

 競合他社に転職する際、前職の秘密情報を絶対に持ち出さないこと。これは改めて徹底しましょう。その他、転職や退職時に起こりやすいトラブルや、転職などによる産前産後休業(産休)、育児休業(育休)の注意点をまとめていきます。

転職時のルールを知っておこう(写真はイメージです)
転職時のルールを知っておこう(写真はイメージです)