毎日働いていても働くことや社会保障に関する法律の知識に触れる機会はあまりありませんよね。本連載では、30歳の社労士・細川芙美さんが、20~30代の働く女性が知っておきたい情報をお伝えしていきます。今回のテーマは、「36協定」。理解を深めるための「○×形式」クイズも最終ページに掲載しています。ぜひトライしてみてくださいね。

なんで最近、会社は残業削減に必死なの?

 こんにちは! 社会保険労務士の細川芙美(ほそかわふみ)です。平成生まれ、doors世代の社労士として読者の皆さんと同じ目線で、働く上で直面する悩みにお答えしていきたいと思っています。気軽に「ふーみん先生」と呼んでくださいね。

 勤務先が近い友人・みすずと、仕事を早く終わらせてお酒を飲んでいたときのことです。最近は働き方改革で残業が減り、仕事帰りに飲みに行く人が増えたといったニュースも耳にしますよね。そんな話から「働き方改革」の話題になりました。


みすず ここ1年くらい、本当に会社から「残業を減らしてください」って言われるようになったよね。

ふーみん そうだね。働き方改革で残業時間の上限が決められたからね

みすず でもさ、「『36(サブロク)協定』を守るように」とか言われても、なんかピンと来ないよ

ふーみん そっか、「36協定」を読んだことがなければ、確かに内容をイメージしにくいだろうね。

みすず うん。残業も何時間までしていいのかもよく分からないんだよね。


 この「36協定」――、名前は知っているけれど、どういうものなのか知らないという方も多いのではないでしょうか。「36協定」は、正しくは「時間外労働・休日労働に関する協定届」といいます。

 簡単にいうと、時間外労働(いわゆる残業)や休日労働に関する、会社と皆さんとの取り決めのことです。労働基準法第36条によって、「時間外労働や休日労働をさせる場合には書面によって協定を結び、届け出ること」が義務付けされているため、「36協定」と呼ばれています。法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて労働させる場合には、会社と社員とで36協定を結び、労働基準監督署へ届け出ることが必要です。