毎日働いていても働くことや社会保障に関する法律の知識に触れる機会はあまりありませんよね。本連載では、30歳の社会保険労務士・細川芙美さんが、20~30代の働く女性が知っておきたい情報をお伝えしていきます。今回のテーマは、職場における「ハラスメント」。最終ページに、チェックリストも掲載しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

ハラスメントは意外と身近に潜んでいる

 こんにちは。社会保険労務士の細川芙美(ほそかわふみ)です。平成生まれ、doors世代の社労士として読者の皆さんと同じ目線で、働く上で直面する悩みにお答えしていきたいと思っています。気軽に「ふーみん先生」と呼んでくださいね。

 さて、2020年3月初旬、アパレル会社社長によるセクハラに関するショッキングな報道がありました。

 皆さんは日ごろから、仕事とは関係ないことで頭を悩ますことなく、安心して仕事に集中できているでしょうか。私は社労士の仕事に誇りを持って充実した日々を過ごすことができていますが、そのように思えるのも職場環境に恵まれているからこそだと実感しました。

 「誰もが気持ちよく仕事ができる環境が整えばいいのに」と、友人・ミサトに熱弁を振るっていたときのことです。


ミサト 私も仕事は好きだよ。でも、職場で人に傷付けられることがあるんだよね。仕方がないから我慢しているけど。

ふーみん えーっ? 何か被害にあっているの?

ミサト そこまでではないんだけど……。あのさ、最近「〇〇ハラスメント」って、ますますよく聞くようになったと感じるんだけど、詳しく教えてくれない?


 友人の発言につい慌ててしまった私ですが、ハラスメントってそんなに遠い話ではなく、意外と身近に潜んでいるんです。行為者に全く悪意がない場合でも、受け取る側が不快だと感じるとハラスメントになります。職場におけるハラスメントには多くの種類があります。

職場におけるハラスメントの一例
・セクハラ (セクシュアルハラスメント)
・パワハラ (パワーハラスメント)
・マタハラ (マタニティハラスメント)
・モラハラ (モラルハラスメント)
・スモハラ (スモークハラスメント)
・テクハラ (テクノロジーハラスメント)

 セクハラ、パワハラ、マタハラは聞いたことがある方も多いでしょう。

 モラハラは道徳や倫理に反する嫌がらせです。スモハラは「喫煙に関する嫌がらせ行為」で、副流煙を浴びせることなどもこれに該当します。テクハラはITに疎く、コンピューターなどのハイテク機器の扱いが苦手な人へのいじめ・嫌がらせのことです。

 このようにハラスメントには紹介していないものも含め、なんと50種類以上もあるとされています。

 今回はセクハラ、パワハラ、マタハラについて解説します。