労働時間の報告、費用負担の確認、事故は労災対象

1. 労働時間を正確に会社に報告する

 在宅勤務であっても、会社は皆さんの労働時間を把握し、その労働時間に基づいて給与を払う必要があります。テレワーク中も労働基準法が適用されるので、残業代が支払われない、深夜手当が支払われないということはあってはいけません。そのためにも必ず、実態に即した労働時間を報告しましょう

 きちんとした労働時間の報告をすることは、自分自身の時間管理にもつながります。在宅勤務はワーク・ライフ・バランスが取りやすくなる一方で、自分の好き勝手な時間に働いてしまうとメリハリがなくなるという側面もあります。できる限り会社の就業時間に沿って働き、メールや電話、テレビ会議などを使って、同僚や顧客と効果的にコミュニケーションを取りましょう。

 また、在宅勤務中だからといって「みなし労働」が適用されるわけではありません。みなし労働時間制が適用されるには、「業務について会社からの具体的な指示が及ばないこと」「通信が可能でないこと」などの条件が必要です(連載記事「みなし労働時間制は『社員・働かせ放題プラン』ではない」を参照)。在宅勤務をもって、みなし労働適用となるわけではないので注意しましょう。

2. 費用の負担について事前に確認する

 家で働くことによって、新たな費用負担が生じる場合があります。労働基準法では、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に定めなければならない」と規定しています。下記について、勤務先の費用負担を事前に確認しておきましょう。

1)通信機器の費用
 PCや周辺機器、スマートフォンなどは、会社からの貸与となる場合が一般的だが、確認が必要。

2)通信回線費用
 携帯電話やPCを使用する際の通信回線費用。個人の使用と業務使用での切り分けが困難なため、テレワーク勤務手当として一定額が支給されることが多い。

3)文具、備品、宅配便の費用
 文具や印刷紙、切手などの備品については、できるだけ会社のものを持ち帰り、自宅で使用するのが望ましいが、どうしても購入が必要になった場合の精算方法については確認することが必要。

4)水道光熱費
 一人暮らしの場合などは、在宅勤務によって日中帯には通常かからない水道光熱費がかかる。これも業務使用分との切り分けが難しいため、テレワーク勤務手当に含めて支給されるのが一般的。
3. 勤務中の事故は労災として報告する

 テレワーク中であっても、通常の就業と同様に労働者災害補償保険法(労災)の適用を受けます。例えば家の中でPCで仕事中、トイレに行くために作業場所を離れたときに転倒し、けがをした場合などは労災事故に当たります。会社に労災事故として報告をするようにしましょう。診察料などが全額労災保険から受けられます。