この連載では、30歳の社会保険労務士・細川芙美さんが、20~30代の働く女性が知っておきたい情報をお伝えしています。今回のテーマは、「新型コロナウイルス感染症に関する妊婦への特例措置」です。新型コロナウイルス感染から働く妊婦を守る法律改正について学びましょう。

働く妊婦をコロナ感染から守る法律

 先月には緊急事態宣言が全国で解除となり、日常が少しずつ戻ってきましたね。私もマスクを着けたりソーシャルディスタンスを取りながら洋服を買いに行ったり、友人とカフェに行ったりと、ささいな日常を楽しんでいます。

 そんな中、友人のリサから妊娠の報告が舞い込みました! まだまだコロナの心配が隣り合わせということもあり、妊娠は不安なことも多いのではないでしょうか。今回は働く妊婦さんのために設けられている保護措置についてまとめます。これから妊娠をお考えの方も、ぜひ知っておいていただきたい内容です。


ふーみん 妊娠おめでとう。仕事はどう? リサは営業だから移動や、お客さんに会う機会も多いし、新型コロナウイルスもまだまだ心配だよね。

リサ ありがとう! そうなの、妊娠はうれしいけど、産休に入るまで、これまでと同じように仕事を続けるのは結構つらいなあ……と思ってるよ。

ふーみん それなら会社に相談して、仕事内容を変更してもらったり、残業をしないで済むような配慮をお願いしてみたらどうかな。

リサ え! そんなことができるの? でも、ちょっと自分からは言い出しにくいかなあ。

ふーみん 「妊娠中の女性の保護」は労働基準法に定められた、ちゃんとした規定なんだよ。5月には新型コロナウイルスに関連した妊婦さん向けの特別な法改正もあったんだ。

リサ そうなんだ。詳しく教えてほしいな。


妊娠中の仕事が不安

 妊娠中、今まで通り仕事をすることはなかなか難しいという人も多いのではないでしょうか。残業が多い、立ち仕事がつらい、重いものを持つ機会が多いといったことに加えて、今の時期は新型コロナウイルスの感染への不安も加わり、心配は尽きないですね。

 働く妊婦さんや出産したばかりの女性は法律で保護されています。特にこの5月の法改正で、新型コロナウイルスに関連した保護規定が期限付きで設けられました

 まずは期限を問わず、女性が受けることのできる保護をいくつか見てみましょう。