労働基準法に「通勤手当の支払義務」の記載はない

 私はIT会社勤務時代、通勤手当は全額もらえて当然だと思っていました。何なら新人の頃に、申請した経路よりも安い経路を総務部の方が探してきて、その額しかもらえなかったことに、「せこいことしてんなー」なんて思っていたくらいです(すみません。若かったもので)。

 通勤手当は労働基準法では支払いの義務の記載は一切ありません。ちょっと意外でしょうか。通勤手当はいわば会社の福利厚生のようなもので、せっかく会社に来てくれるから手当をあげようね、というくらいの位置づけでしかありません。また、多くの会社が通勤手当を支給しているため、人材確保のために右にならって支給しているともいえます。

 事実、欧米では通勤手当は支給されない国が圧倒的多数です。家からの交通費を何で会社が負担しなければいけないの、というスタンスですね。何ともドライです。

 つまり通勤手当については支給の義務もなく、えりの転職先のように月1万円の上限を設けている会社があっても違法ではありません。