毎日働いているのに、働くことや社会保障に関する法律の知識がない人のほうが多いですよね。30歳の社労士・細川芙美さんが、20~30代の働く女性が知っておきたい情報を教える本連載。今回のテーマは、「通勤手当」です。

友人・えりの相談「通勤手当が月1万円しかもらえない」

 本題に入る前に軽く自己紹介すると、私は大学を卒業後、IT企業に5年ほど勤務した経験があります。IT企業にはブラックなイメージもありますが、私の場合は幸いそんな感じでもなく、たまに夜勤や突発的な障害対応で帰れないぐらいでした。その間、もとから夢だった社労士になるための勉強をし、滑り込みで合格。今は都内で社労士として働いています。気軽に楽しく、働いている若い世代に労務に関する情報を届けられたらと思っています。よろしくお願いします!

 さて、本題です。それは友人・えりと表参道のカフェで何気ない会話をしていた時です。えりは大手の化粧品会社を辞めて転職したばかりでした。


えり 「そういえば転職した会社なんだけど、通勤手当が月1万円までしかもらえないの。それって違法じゃないの?」

(ふーみん先生の注記:一人暮らしの家賃を抑えるために千葉の家から都内の会社に通っているえりにとっては、通勤手当を満額もらえないのは大きな問題でした。)

ふーみん 「それ、痛手だよね。でも、全く違法じゃないんだよ。それに、通勤手当って高くなると社会保険料も上がるって知ってた?」

えり 「まじ? 知らないよ~!」


 ということで、今回は意外と知られていない「通勤手当」について解説していきたいと思います。

 皆さんは会社と自宅の往復の通勤手当を、全額会社からもらっていますか? 実は通勤手当は、会社が払わなければいけないという義務はないんです。1円も支給がなくても法律上は全く問題ありません。