【「○×形式」クイズ】
以下6問に答えたら、あなたも「みなし労働時間制」のエキスパート!


問1)みなし労働が適用されると、どんな場合でも所定労働時間働いたことになる

答え:×
「事業場外みなし労働時間制」では所定労働時間、または労使協定で定めた時間がみなし時間となり、「専門業務型・裁量労働制」では、労使協定で定めた時間がみなし時間となります。また、定めた時間が所定労働時間を超える場合は、会社は時間外手当の支給がマストです。


問2)みなし労働が適用されていたとしても、会社は労働者の勤務時間を管理する義務がある

答え:○
会社はみなし労働を取り入れていても労働者の勤務時間を管理する義務を負っています。このことから、みなし時間と実際の労働時間に大きく開きがあることは認められません。


問3)「事業場外みなし労働時間制」の適用がある営業職では、会社の外で仕事をしているならばスマートフォンなどで会社から行き先を指定されて仕事を行っている場合でも、みなし時間が適用される

答え:×
会社の外で仕事をしていたとしても、会社からの指示を受けて作業をしている場合は「事業場外みなし労働時間制」は適用されません。会社からの指揮監督がないことが要件となります。


問4)営業先からオフィスへ戻り、定時後に作業を行った場合はみなし労働は適用されず、実際の退社までの時間が労働時間となる

答え:○
本文にはない応用編です。あくまでも「事業場外みなし労働時間制」は「事業場外で業務に従事し」「使用者の具体的な指揮監督が及ばず」「労働時間を算定することが困難な業務をしている」場合に適用されます。外回りが終わりオフィスに戻って日報などを作成する時間は、「使用者の具体的な指揮監督が及ばず」「労働時間の算定が困難とはいえない」ためこれが適用されません。作業が定時後にかかった場合は、会社は時間外手当を支給する必要があります。


問5)販売の仕事でも、仕事の進め方に自分の裁量が認められる場合は「専門業務型・裁量労働制」が適用される

答え:×
「専門業務型・裁量労働制」が適用できる職種は限定されています。図にある19業種以外には適用できません。


問6)みなし労働が適用されているので、深夜手当や休日出勤手当はもらえない

答え:×
あくまでも労働日についてみなし時間が適用されるため、会社は休日出勤をした場合は休日出勤手当を支給する必要があります。また、実際に深夜に働いた場合も深夜手当を支払う義務があります。

 いかがでしたか? 次回もお楽しみに!

文/細川芙美 写真/PIXTA