多くの女性が抱える毎月の生理のトラブル。あなたは月経痛やPMSの症状があっても「仕方ない」と我慢しながら仕事をしていませんか? 日経BP 総合研究所の「生理快適プロジェクト」では、働く女性の生理の悩みとその影響について、約2000人の女性にアンケートを行いました。その結果、生理による不快な症状が仕事や日常生活の質を大きく落としている事実が見えてきました。一方、治療して症状が改善した人は前向きに仕事に挑戦できていることも明らかに。
この先、生理とどう付き合えばいいのか、産婦人科医の高尾美穂さんとともに考えます。
1回目 SHELLYさん×甲賀先生 生理痛の上手なマネジメント法
2回目 薬を使わず生理痛を軽くするには?14の質問に回答
3回目 サッカー選手、川澄奈穂美さんが語る生理のこと
4回目 10代の娘が生理で困ったら、親としてどうする?
5回目 読者が婦人科医と生理痛をぶっちゃけトーク!
6回目 生理の影響は年60日! 生理痛を治療して前向きに ←今回はここ

生理のせいで、年間60日も仕事や生活の質がダウン

 今回の調査の対象は、現在生理がある人(または妊娠中・産後の人)で、生理前や生理中に「不快な症状がある」、「医療機関で治療を受けていて、いまは不快な症状はあまり気にならない」と答えた1956人の働く女性です。

 働く女性で生理の不調に悩む人の割合は、半数以上とされています。少なくとも2人に1人が毎月、憂鬱な日々を過ごしているわけですが、その損失を年間の日数に置き換えて考えてみたことがありますか?

※ 経産省平成29年 働く女性の健康推進に関する実態調査。不調がある人の割合は62.3%

 今回の調査で、生理前と生理中の不快な症状の影響を受ける日数の合計は、1周期の生理で平均4.85日でした。1カ月に1回生理があるとすると1年間で約60日、つまり2カ月もの時間をロスしていると言い換えることもできます。1周期に7日間以上影響があると答えた人が2割以上いることも見逃せません。

 では、具体的にどんな影響が出ているのでしょう。トップは、「仕事の効率が落ちる」で75.4%。次いで「ミスが増える」(27.8%)、「つらくて休む」(24.2%)が続き、「コミュニケーションがうまくいかない」(17.4%)と、人間関係に悩む人も見受けられます。

 こうした影響により、仕事の生産性や生活への満足度は大きく低下します。仕事の出来(パフォーマンス)は、生理の影響がない時を10点とした場合、不快な症状がある時は平均で6.35点になるという結果になりました。別の質問では仕事や働くことに対する満足度が6.16点に下がっており、生理の不快な症状で、仕事の生産性と満足度はともに約4割低下しているのです。