2011年、FIFA女子ワールドカップ優勝メンバーで、今も現役で活躍し続けているサッカー米女子リーグ選手の川澄奈穂美さん。「産婦人科医はアスリートとしてだけでなく、女性としても心強い存在」「男性にも、もっと生理のことを知って欲しい」と話します。大学時代からつらい生理痛があり、2011年のワールドカップ前から今も低用量ピル**をずっと服用しているという川澄さん。生理や低用量ピルの使い方、産婦人科ドクターとのつきあい方について伺いました。

1回目 SHELLYさん×甲賀先生 生理痛の上手なマネジメント法
2回目 薬を使わず生理痛を軽くするには?14の質問に回答
3回目 サッカー米女子リーグ選手 川澄奈穂美さんが語る ←今回はここ
4回目 10代の娘とその母親が知っておきたい生理痛のこと(仮)
5回目 読者がドクターに聞く 私の生理、いまのままで大丈夫?(予定)
6回目 あの人に聞く、つらい生理のマネジメント体験(予定)

* 生理痛の症状や低用量ピルの効き方には個人差があります。
** 低用量ピルには、避妊目的で使用される経口避妊薬(OC)と治療目的で使用される保険適用のある低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(LEP剤)があります。

――川澄さんは、生理痛に悩んだ経験があるそうですね。いつ頃どのような痛みだったのでしょうか?

川澄奈穂美(かわすみ なほみ)さん
川澄奈穂美(かわすみ なほみ)さん
1985年9月23日、神奈川県大和市出身。日本体育大学体育学部体育学科卒業。2011年FIFA 女子ワールドカップ(W杯)優勝メンバー。日本代表としてW杯、ロンドンオリンピックに出場し、チームとして国民栄誉賞を受賞。2014年より女子サッカーの本場、米国ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ(NWSL)に活躍の場を移し、2021年には日本人選手最長となる7シーズン目を迎え、国内外で活躍を続けている。

生理痛は大学のころから。でも薬の服用には抵抗があって…

「生理(月経)痛の記憶は大学生くらいからです。でも、薬をのむのが好きではなかったので、痛み止めものんだことがありませんでした。その期間は、とにかく痛みに耐えて、生理が終わるのを待っていた感じです。それが普通だと思っていました。一番つらかったのは、生理の1~2日目でした。

 初潮は、12~13歳。中学生のころは、生理痛の記憶がないので、痛みはほとんど感じていなかったのだと思います。痛みがつらくなったのは、大学のころからでしょうか。

 倒れるほどの痛みではないものの、月1回生理時は「うわぁー。おなかが痛~い」と思うくらいの痛みがありました」

 大学4年生のころ、印象的な出来事があったと言います。

「ひざの前十字靭帯の手術で入院していた際、手術後、痛み止めの点滴をしていたんですが、ちょうど生理中なのにいつものような生理痛がなくて。痛み止めでこんなに生理痛が治まるのか、と実感したのです」

 生理痛があったのに、薬をのまなかったのはなぜだったのですか?

「“生理は痛いもの”という思い込みです。“薬はのまないほうがいい”という根拠のない考え方。論理的な理由があるわけでないのに、単純に薬が嫌いで、根性で乗り切るという、まるで昭和の根性論です。

 当時、大学でもスポーツ選手の生理について教えてくれる人はいませんでしたし、プレーができないほど痛いわけではなかったので、積極的に対策を調べようともしませんでした。知識がなかったんです。だから、産婦人科に行くという選択肢も頭に浮かびませんでした」