――アスリートにとってかかりつけの産婦人科医の存在は?

産婦人科医は、アスリートとしてはもちろん、女性としても大切な心強い存在です

 米国で生活されていますが、低用量ピルはどのように入手しているのですか?

「低用量ピルの処方は日本のドクターに次回の帰国分までを処方してもらって、米国に持って行っています。男性のドクターですが、帰国して受けるメディカルチェックのときに大事な情報を与えてくれて、質問にも親身になって答えてくれるので、とても楽しいです。

 昔、産婦人科は、妊娠するまで行く必要がないところだと思っていました。今の産婦人科ドクターと出会ってから、それは間違いだとわかりました。体について相談できる専門家がいることって、本当に大切です。

 プロのアスリートとしても女性としても、かかりつけの産婦人科医がいることは重要なこと。私には、いいメディカルパートナーが見つかったので、女性としてもアスリートとしても心強いです」

――日米のサッカー選手に、生理に関する意識の違いはありますか?

米国ではピルの使用は当たり前。日本でも今はそうなってきています

「今は、日本の女子サッカー選手も、低用量ピルをのんでいる人は以前より多く感じます。10年前は、ピルをのんでいる人はめずらしかったけれど、最近はそこまでめずらしくない。のむ、のまないを選択する時代になったと思います。

 米国では、ピルありきで会話します。シーズン前にメディアカルチェックを受ける際、ピルのことは当たり前に話題に上ります。私が日本でプレーをしていた時代には、生理痛で練習を抜ける選手を見たことがありますが、米国ではそんなことは記憶にないですね。

 日本で生理のことを扱った記事に、「男性の上司や同僚に、生理痛や生理にまつわる不調のことを理解してもらえない」「男性がいるので女性同士が気楽に生理のことを話せない」「トイレにナプキンを持って行くのも恥ずかしい~」といった女性の声をよく見かけます。

 そんな記事を読むと、女子サッカーの世界は、女性だけだし、同世代だから、話しやすい環境にあったなあと。「生理だから動けないわー」とふざけて言ったり、「顔がむくんでいるのは生理だから~」と普通に話していましたよ」