――生理に関して、日本の女性や子どもたちの置かれた環境について、お考えを聞かせてください。

中高生から行ける産婦人科があったらいい! 女性として声を上げていけたら

「日本にも中学生、高校生のときから、気軽に産婦人科に行きやすい空気があったらいいのにと思います。この世代で知識を得ることはとても大事です。

 「産婦人科」というと、妊娠している人が行くところという印象になりがちで、中高生にはハードルが高く、すごく行きづらい。産婦人科をそういうイメージにしない教育、自分の体を大切にする教育が必要だと思います。「産婦人科」という名前を変えてもいいのではないでしょうか? 女性だけでなく、男性もパートナーのことを相談できる場所があったらいいのに。

 私も中高大学生のときに、きちんと知識を得ていたら、もっと早くピルをのみ始めていたと思います。あんなつらい生理痛を我慢しなくてもよかったんです。

 そう考えると、日本の低用量ピルの値段が1か月3000円前後というのは高い気がします。中高生だと親が費用負担するので、親の理解が不可欠。親世代が理解してくれないと、本人には決定権がありませんしね。

 全員に「ピルをのみなよ」とは言いませんが不調がある人には選択肢を拡げてあげてほしい。若い人たちが自分の体を守る選択ができるという意味でも大切な気がします。自分で自分の体のことを決めるための障壁が日本は多すぎます。

 聞いた話ですが、スウェーデンでは国や会社から補助金が出て、1カ月500円程度でピルをのむことができる場合もあるそうです。

 社会人も、生理の不調を抱えながら1日仕事をするよりも、生理痛を気にしないでよい状態で仕事をしたほうが効率も上がります。企業にとっても生産性も経済効率も上がり、いい選択だと思うのです。

 この現状を日本の教育現場や企業にも気づいてもらいたいなと。私たち女性が小さな声でもいいから声をあげることで、変えていけたらといいなと思います」

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取材・文・構成/増田美加(女性医療ジャーナリスト) 構成/黒住紗織(日経BP総研 生理快適プロジェクト)

生理快適プロジェクトとは?
毎月の生理がつらい人。それは仕方ないとあきらめていませんか? つらい生理は放置しないできちんと対処すれば、いまよりもっと心も体も快適になって仕事の生産性も上がります! そう。女性が、自分の体と生理のことをきちんと知ることが「女性の働き方改革」の出発点。生理快適プロジェクトは、つらい生理で悩む女性を減らすために、正しい情報を届ける活動をしています。

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10月20日 20時開催
川澄奈穂美選手、ナヲさん(マキシマム ザ ホルモン)、
婦人科医の塚田訓子先生が生理の話題でオンライントーク!

10代の娘とその親のための「生理の悩みと対策」セミナー
参加者募集中


生理のつらさは、働く私たちだけに限ったことではありません。実は10代の女子たちのなやみが深いこともわかってきました。そこで、今回は女性の体と生理についての正しい知識と、つらい症状に対する対策、娘の生理の悩みにどう向き合ったらいいかなどを、思春期外来を持つ婦人科医の塚田訓子さんと川澄奈緒美さん、思春期年齢の娘の母代表、マキシマム ザ ホルモンのナヲさんといっしょに考えます。母親だけでなく、10代女子をサポートする人やご自身の生理の悩みを抱える人も大歓迎。ぜひ、参加ください。

●日時/2021年10月20日(水)20:00~21:15(開場時間/19:45~)
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