ふたりの女の子の子育てをしながら、芸能活動を続けているタレントのSHELLYさん。「働いている女性こそ、自分の体について、生理について、知っておくことは大切。同僚や上司など、一緒に働く人にも女性の体について知ってもらいたい」と話します。つらい生理痛があり、18歳から低用量ピル**をずっと服用していたというSHELLYさん。生理や婦人科とのつきあい方、低用量ピルの使い方について伺いました。

1回目 現代女性は昔の女性の約10倍、生理の回数が多い!?
2回目 女性の味方、生理痛の治療薬は避妊薬と同じ成分!
3回目 私の生理は大丈夫?「生理の異常チェックリスト」
4回目 頭痛、脱力感、イライラ…。実は生理が原因かも
5回目 教えて! ドクター 生理と低用量ピルの“都市伝説”の真実
6回目 シェリーさんが語る「生理との上手な付き合い方」 ←今回はここ

* 生理痛の症状や低用量ピルの効き方には個人差があります。
** 現在では、低用量ピルには、避妊目的で使用される経口避妊薬(OC)と治療目的で使用される保険適用のある低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(LEP剤)があります。

SHELLY(シェリー)さん
SHELLY(シェリー)さん
1984年、神奈川県生まれ。2016年、第1子の女の子、2018年、第2子の女の子を出産。出産後も子育てと仕事を両立しつつ、テレビ、ラジオで活躍中

―― シェリーさんは生理痛に悩んだ経験があるそうですが、どんなつらさだったのでしょうか? どんなふうに対処したのですか?

18歳で婦人科受診時に生理痛を相談したのがきっかけ

 10代のときの生理は、痛みもつらかったし、月に何回も来たり、だらだら長く続いたりと、とても不安定でした。

 父が米国の軍人だったので、歯医者さんに通ったり、インフルエンザワクチンを接種したりするように、横須賀の基地内の病院の婦人科には定期的に通っていました。米国では、初潮が来たら女性は婦人科に行くのが普通だったので、私もそれに従っていたんです。

 でも、私の生理痛が重いほうなのかどうか、人と比べられないのでわからないし、「もしかしたら、みんな痛いけれど我慢しているのが普通なのかもしれない」と思ったりして、すぐに自分の生理が重いとはいいづらくて、相談をするには至っていませんでした。

 そんなころのこと。米国では子宮頸がん検診が18歳からなので、私も検診を受けに行ったのです。その時に米国人の女性の婦人科医にふと、生理のことを相談してみたんです。

 「生理が重くてつらいんです」って言ったら、「じゃあ、低用量ピル**をのんでみるといいわよ」ってすぐに言われて。それ以来、子どもが欲しいと思う20代後半まで、ずっとのんでいました。

―― 不安はありませんでしたか? のんでみて、どうでしたか?

生理に振り回されない生活の快適さを知りました

 怖いとか、不安とかもなく、医師に勧められたので当たり前のようにのみました。そうしたら、生理痛はほとんどなくなりました。初潮のときからずっとつらかった痛みが治まったんです。

 それに、不順だった生理が28日周期で確実にピタッと来るし、出血もごく少量で、3日くらいで終わります。ダラダラと続かないんです。

 のみ慣れると、あ、間もなく生理が始まるぞ、という具合に、始まるタイミングまでだいたいわかるようになって。こんなに自分の生活がコントロールできる方法があったんだということに驚きました。

 医師からは、低用量ピル**をのんで最初の1カ月半くらいは、ムカムカするなどの症状があるかもしれないと聞いていました。医師から聞いていたように、私の場合は1カ月半で吐き気がなくなりました。本当にその通りで、1カ月半でピタッとなくなったんです。

 それまで、生理に振り回されていたところもありましたが、低用量ピルをのんでからは、それがまったくなくなって本当に快適!

 私は、最初にのんだ薬との相性が良かったのか、20代になって病院を変えたあとも、同じものをずっとのんでいました。

―― その後も、婦人科にはずっと定期的に通っていたのですね?

妊活、子宮がん検診、性感染症検査…今も年1回は通院

 20代後半からはマイドクターを決めて、婦人科にずっと通っています。年1回は子宮頸がん検診に行きますからね。

 今の先生は私の質問にとても丁寧に答えてくれて、ドライに接してくれるサバサバしたお人柄が、私に合っています。

 妊活のときも相談しやすかったです。「産みたいな」と話して低用量ピル**をお休みして基礎体温をつけて、生理周期、排卵の時期も理解して、意識するようになって。低用量ピルを止めて1年後くらい、31歳で第1子を妊娠できました。そのときも、先生は一緒に喜んでくれました。

 産後、低用量ピルを再開したいと思って処方してもらいに行ったときも、「性感染症の検査もしましょうか?」と当たり前にサラッと言ってくれる、そんなところがとても好きなんです。

 低用量ピルをのむということは、セックスをする可能性があるので、性感染症の検査もしておいたほうがいいということを説明してくれたりします。質問もいろいろできて、本当に安心できる相談相手です。

―― 妊娠前、低用量ピル**を止めて、久しぶりにコントロールしていない生理が来たときは、どんな印象でしたか?

子どもが欲しくて低用量ピルを休んだら、生理痛が再び!

 子どもが欲しくて低用量ピルをやめたときは、生理ってこんなに面倒なものだったのかと思い知らされました。

 始まって5日経っても、出血がダラダラ続きますし、生理の量も多くて腰痛もあって。この痛み、長らく忘れていたんだなあ、と生理のつらさを久しぶりに実感しましたよ。

 久しぶりの生理で、初めてPMS(月経前症候群)も経験しました。生理前に甘いものや揚げ物、ジャンキーなものが食べたくなったり、寝ても体がだるかったり、腰とおなかが痛くなったり……。10代では感じていませんでしたが、よく聞くPMSってこんなものなんだと初体験。

 産後、1人目のときは、2~3カ月で生理が戻って、2人目のときは、産後6週目検診のあとにすぐに生理が来ました。それから欠かさず、毎月、生理がありました。授乳中は生理がないとよく聞きますが、私は完全母乳だったのに、授乳中も生理があったんです。

 授乳中だから低用量ピルはのめないし、あのときの生理は、正直、本当につらかったです。去年(2019年)の夏、授乳を終えたので、即、低用量ピルを再開しました。連続して飲み続けるタイプのものに変えたら、年3、4回しか生理が来ません。当初、少しだけ不正出血がありましたが、いまは安定してきて、快調です