「And if you choose to fail us, I say we will never forgive you(次世代を失望させる選択をしたら、あなたたちを許さない)」。そんな強い言葉で各国政府や大企業を非難したグレタ・トゥンベリさん。10月11日に発表されるノーベル平和賞を受賞するのでは、と海外メディアは大きく注目しています。彼女が9月23日に国連で行ったスピーチは、世界に衝撃を与えました。スピーチが及ぼした影響などを本欄の「番外編」としてまとめました。

 グレタさんは2018年夏に気候変動への行動を一人で起こし、世界中の若者たちを奮い立たせました。グレタさんに共鳴し、気候変動の危機感を訴える若者たちは増え続けています。

 9月23日の国連気候行動サミットの前に起こったデモ行進は欧米のみならず、アフリカの国々や、インドやアフガニスタンといったアジアの国々にまで膨れ上がり、最終的には数百万人の規模にまで達したそうです。SNS上でのハッシュタグは、グレタさんが金曜日に一人でストを起こしたことから始まった運動#FridaysForFuture や#ClimateStrike などが使われています。

気候変動を巡る集会に参加したグレタさん(右から2番目)米サウスダコタ州の学校で(2019年10月7日) 写真:ロイター/アフロ

ノーベル平和賞の候補に?!

 気候変動問題の旗振り役となったグレタさんがノーベル平和賞を受賞するのではないかと、早い段階から報じる海外メディアがありました。10月10日の執筆時点でも「Could Greta Thunberg Win the Nobel Peace Prize?」(米Slate.com)や「Greta Thunberg: The teenage climate activist tipped to win Nobel Peace Prize」(英Independent)、「Here Are the Favorites to Win the 2019 Nobel Peace Prize」(米タイム誌)など、グレタさんのノーベル賞受賞の可能性を報道しています。

 Slate.comはグレタさんが世界に起こした「気候変動に対する意識」を評価。もしノーベル平和賞を受賞するとなれば、2014年の受賞者マララ・ユスフザイさん(当時17歳)よりも若い16歳での受賞となり、世界最年少での受賞になると述べています。

 一方、懐疑的な見方をする人たちも少なくありません。例えば平和研究で知られるオスロ国際平和研究所(PRIO)のヘンリク・ウダル所長が発表した候補者リストにグレタさんはいません。「グレタさんは世界の若年層による草の根運動を通し、若者の政治活動の顔として一世を風靡しています」としつつも、リストに入れなかった理由を「気候変動と武力紛争(の解決)は直接的なつながりがないから」と述べています。

 ウダル所長は毎年ノーベル平和賞受賞者の候補者リストを発表、メディアが多く引用しています。ただしウダル所長は、リストは独立した研究を基にしており、実際に授賞するノルウェーのノーベル委員会とは関係ない、と断っています。

Could Greta Thunberg Win the Nobel Peace Prize? (Slate.com, October 9, 2019)
Nobel Peace Prize 2019: PRIO Director's Shortlist (The Peace Research Institute Oslo)

から引用