北海道砂川市にある個人書店「いわた書店」の店主、岩田徹さん。選書サービスの「一万円選書」が話題になっている。多数の著書を出版し、「本好き」を公言している、ジャーナリストの池上彰さんのお二人に20~30代の働く女性におすすめの本や人生を変えてくれた本を教えてもらいました。

前編  池上彰×いわた書店岩田徹 読みたい本の探し方&読書法
後編 池上彰×いわた書店店主 おすすめ本&人生を変えた一冊 ←今回はここ

編集部(以下、――) 前編では北海道にある個人書店であるいわた書店による選書サービスの人気の秘訣や、お二人の読書スタイルについてお伺いしました。後編では読者世代である20代~30代の働く女性におすすめの本を教えてください。

岩田徹さん(以下、岩田) 1、2冊挙げるっていうのが一番難しくて、オールマイティーの本というのは無いんですよ(笑)。例えば、よく似た経歴を持っていても、一人ひとりもちろん違いますよね。外れないように何冊か組み合わせてそれで合わせ技一本を取りたいなという風に考えて、いつもは幅広く薦めるんですね。悩んで決めたのが、『にげてさがして』(赤ちゃんとママ社)です。

―― これは絵本ですね。

岩田さんがおすすめするのは絵本

岩田 はい、予想外の本をおすすめするようにしています。嫌な人や嫌な職場からは逃げていいんだよ、逃げるために君の足はついているよ、そして自分に合ったものや好きなものを探しましょう、心に留めておくといつかは見つかるよと伝えている絵本です。

「20~30代の頑張って働いている女性におすすめするのはこの本です」
「20~30代の頑張って働いている女性におすすめするのはこの本です」

岩田 忙しく働いていると、目の前の仕事や与えられたミッションで、真っ暗になってしまって、逃げることがまず思いつかないですよね。でも、自分の人生は一回きり。逃げてもいい、自分が好きなものを探していい。違和感を覚えながら、適当なところで手を打つ必要はないんです。普段気付かない大切なことを教えてくれる一冊です。