激しい衝撃をくらう作品
高橋 「最高に気の合うジェシーとは永遠に親友でいたい」ということで離婚を切り出すセレステはさすがに都合良すぎますよね。案の定ジェシーに新しい恋人ができて、そこではじめて彼女は自分の傲慢さに気付かされるわけです。これは失恋直後に見ると相当食らいますよ。
ジェーン・スー 皆さん、仕事に影響が出ないように週末に見てくださいね(笑)。アラサー、アラフォー女性が、人生にたかをくくってしまう瞬間はある。「この人でいいのか」と思いがち。そういうことを言っていると、こうなってしまうぞと教えてくれる映画です。
高橋 セレステのように恋愛で慢心して痛い目に合ったことがある人は男女問わず少なくないと思います。気がついたときには取り返しのつかないことになっていた、という。自分自身、この映画を見るといまだに過去の失恋の古傷がうずきますからね。そのぐらいリアリティーがある。
高橋 まだ失恋の傷が十分に癒えていないにもかかわらず、半ば強引に新しい恋を走らせようとするセレステの姿がまた痛々しくて。「失恋あるある」ですよね。ジェシーと別居する前に購入した家具が届いたものの、結局ひとりで組み立てられなくてジェシーを呼び出すシーンも印象的です。
ジェーン・スー 彼がいないと何もできない自分に気付くんですよね。最近、恋をしていない人には「恋はこういうものだ」と思い出せる作品ですね。
後編でもおすすめ作品の紹介と、ラブコメ作品にはまったきっかけについて教えてもらいました。
取材・文/齋藤有美(日経xwoman doors) 写真/鈴木愛子
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