焦る気持ちが落ち着く一冊

―― 関口さんも落ち込むことってあるんですね。ラジオでもすごくイキイキと話されているので、想像がつきません。

関口 しょっちゅう落ち込んでいますよ(笑)。「もっとこうしたい」とか「できなかった自分が情けない」とかすぐ思っちゃうんです。SNSを通して他の人と比較できてしまう社会なので、「何かで認められなきゃ」と躍起になってしまいやすいと思うんです。そういう時は、こうした本を読んで「生きること自体が尊いんだ」と確認できると焦る気持ちが落ち着くし、ちょっと元気が出ます。そして、数珠つなぎのように他の本へとつながっていきます。

―― どんな本につながりましたか?

数珠つなぎのように読みたい本が見つかる

関口 吾妻さんの『うつうつひでお日記』(KADOKAWA)がどうしても欲しくて、中古で手に入れたんです。失踪後の生活がありのままの本音とともにつづられていますが、その中で作家の中島らもさんについて書かれていて。中島らもさんと吾妻さんはアルコール中毒という共通項があったと知って、がぜん興味が湧いてきて、中島さんの作品も読みました。

「私はデフォルトが落ち込んでいるぐらいなんです(笑)。吾妻さんの本を読むと、人間も究極は動物で、生きること自体がすごいことだと思わせてくれます」
「私はデフォルトが落ち込んでいるぐらいなんです(笑)。吾妻さんの本を読むと、人間も究極は動物で、生きること自体がすごいことだと思わせてくれます」