好きな少年漫画

―― 少年漫画が好きとも聞きましたが、どんな作品を読みますが?

関口 『ゴルゴ13』(小学館)や『ミナミの帝王』(日本文芸社)『賭博黙示録カイジ』(講談社)といった、ハードな漫画が好きですね。私の中に「強くなりたい」という変身願望があるみたいで、少女漫画は全く読みません(笑)。強い生きざまや何事にも動じないメンタリティーに、すごく憧れるんですよね。強さでいうと『グラップラー刃牙』(秋田書店)もよく読みます。

 「うぉー!」と気分を上げたい時は少年漫画。ちょっと疲れた時には『うつうつひでお日記』みたいな作品を読んで「今日はうどん食べたから、いいや」とか「うどんにちゃんとネギを入れたからえらい」と原点に戻る。作品を読みながら、自分の中の基準を上げ下げして気分を調整する感じです。

過労になるほど頑張り過ぎていた

―― 頑張り過ぎて疲れてしまった経験もありますか。

関口 起業してからは、毎日早起きして出社前に筋トレして、会社に着いたら仕事前に大学受験の難関問題集を解いて脳みその体操して……。そこから夜遅くまで働いて倒れるように寝るという日々を続けていました。頑張っていないとダメなんじゃないかと思って、不安だからもっと頑張ってしまう。もう少年漫画イズム全開ですよ(笑)。

 『ONE PIECE』(集英社)のトラファルガー・ローというキャラクターが好きなんですが、彼の「弱ェ奴は死に方も選べねェ」というセリフを会社のデスクに貼っていたんです。その言葉通り、ベンチャー的な意味で強くならなきゃいけないと自分を鼓舞し続けていたら、ある日体調を崩してお医者さんに「過労です」と言われてしまいました。

 自分のペースでやっていくことの大切さや、寝ることやご飯を食べることの大切さなど、当たり前のことにようやく気づいて、反省しました。王道の少年漫画はいまだに大好きですけど、それ一辺倒だと頑張り過ぎちゃう。「こんな程度でへこたれていたら、ルフィに申し訳ない」なんて考えてしまった時は、前出の『cook』の出番! 「坂口さんはこの日チャーハンを作ったんだなぁ。しかも、みんなで食べたいと思って友人のところに持っていって、一緒に食べたんだ。これより大切なことってあるっけ?」と気づかされるんです。