座長就任時に励まされた曲

酒井 2017年に新喜劇の座長になった時に、「BRAND NEW MORNING」という歌の「We’re BRAND NEW MORNING!新世代の幕開け」「過去を超えて行くぞ」「仲間と今攻める時だ」という歌詞に何回も励まされました。モー娘は歌詞が素晴らしい曲がたくさんあるんですよ。振り付けもまねして踊っていましたね。

―― まさに新時代の吉本新喜劇を任された酒井さんの状況に合った曲ですね。

モー娘のプロ意識の高さに刺激

酒井 モー娘はつんく♂さんの才能もあって、一曲一曲が心に刺さるんですよ。歌はもちろんメンバーの一人ひとりがすごく上手。「体力おばけ」とも言われていて、炎天下のフェスでも細い体でずっと歌って踊り続けて、パフォーマンスも一生懸命。プロ意識が高いんです。若い子たちがこんなに頑張っているのに、私が頑張らないでどうするんだと、元気をもらえています。

―― 他にも印象深かった曲はありますか?

酒井 「ここにいるぜぇ!」は高校生の時によく聴いていました。「自分に全部当てはめるなよ」という感じなんですが(笑)、「『何がしたい?』とか聞くけれど、話せばビックリするじゃん」という歌詞が出てきます。進路を決める三者面談のとき、この歌詞のことをずっと思い出していました(笑)。

「親をいったん安心させよう」

酒井 当時、吉本新喜劇に入るか、公務員になるかのどちらかを考えていたのですが、芸人になることは両親に猛反対されました。そこで、「いったん公務員になって、親を安心させよう。安心させてから新喜劇行ったろ」と考えたんです(笑)。

 小学生の頃から柔道をやっていたのと、既に警察事務職の内定をもらっていた友人がいて、その話を聞いていた影響が大きく、警察職員を目指しました。そして、1年半ほど警察職員として働いて、新喜劇のオーディションのサイトが写っているパソコン画面を両親にパッと見せたんです(笑)。

 「諦めてなかったんか!」とビックリしていましたね。父が激怒して、「そんなん絶対受からんから、受けてみろ!」とブチ切れたんです。実際に受けたらラッキーなことに合格。父は「受けてみろ」と言ってしまったために強く反対できなかったのですが、他の家族も全員反対でした。

―― その反対を押し切られたのですよね。