大阪で一人暮らしを始めたときに聴いた曲

酒井 私は家族が大好きで。妹が2人いるのですが、一緒にモー娘を歌って踊って、仲良し姉妹でした。反対されて気まずくなった間は妹たちとモー娘を踊れなくて、寂しかったですね。母には「出て行きなさい」と言われました。そこで、「出て行く」と言ったんですよ。 母もはっとして、「今まで絶対家から出るなんて言わなかった。それだけ本気なんだ」と思ったみたいで、新喜劇行きを許してくれました。

―― 奈良県から大阪府に引っ越して、一人暮らしを始められましたね。

酒井 そのとき、モー娘の「ふるさと」が流れていました。曲は東京で一人暮らしの設定。「東京で一人暮らしたら~、母さんの優しさ心にしみた」という歌詞が泣けてきました。その時も支えてくれたのはモー娘でした。人生の節目に、モー娘がいつも寄り添ってくれています

 後編に続く

取材・文/齋藤有美(日経xwoman doors) 写真/吉本興業提供

後編「酒井藍 吉本新喜劇下積み時代を支えた警察職員の経験」では、次のストーリーを展開

■20歳で吉本新喜劇に入団
■「こんなん、つらすぎる」
■「やりたいことをやれている」
■8年目で「座長になりたい」
■リーダータイプではない
■舞台から逃げたいことも
■かわいがられる力のつけ方
■全世代に刺さる新喜劇をつくりたい