「授業中に覚える」超効率勉強法

―― 当時の女子最年少記録ですよね。その時、楽しみにしていたエンタメ作品はありますか?

磯貝 1カ月間、毎日10時間ぐらい天気の勉強をしていて、このときも夜のドラマの時間を楽しみにしていましたね。当時は韓流ドラマにハマって、「美男ですね」「華麗なる遺産」や韓国語版「花より男子」などを見ていました。

―― そんなにたくさんのドラマを見ているということは、再生速度を上げているんですか?

磯貝 そんなことはないです。友人には「暇なの?(笑)」と言われるんですが、「間」もドラマの醍醐味なので、再生速度は上げたくないです。

―― ドラマと勉強を両立するために、どのように勉強を効率的に進められたのでしょうか。

磯貝 授業中に全部理解して覚えるようにしていました。疑問はその場で先生に聞きにいって解決していました。学校の先生にも、「いつも磯貝さんがキラキラした目で見てくるから緊張する」と言われるぐらい100%全力で聞いていました(笑)。ノートを取るときは先生の話す面白い雑談も一緒に書いておいて、楽しく見返していたんです。

進路先がドラマに影響される

―― 気象予報士の勉強も普段の学校の勉強も楽しく学べるようにしていたんですね。その後、東京大学を目指されます。

磯貝 物理学者が怪事件を解決するドラマ、「ガリレオ」(フジテレビ)を見て、主人公の物理学者を演じている福山雅治さんに憧れました(笑)。私の祖父が物理学博士で、書斎にはドイツ語の学術書が並んでいてかっこよかったんです。文系と理系のどちらの分野も勉強したかったので、「進学振り分け」の制度がある東大の理科一類を受けることを決めました。

―― 現役合格後、気象予報士の資格を生かしてニュース番組「NEWS ZERO」のお天気キャスターを務めたり、ミス東大コンテストにも挑戦され、見事準ミスに選ばれたりとマルチに活躍されました。最終的にはアナウンサーの道に進まれますね。

磯貝 航空会社が舞台のドラマ「GOOD LUCK!!」(TBS)を見て、「パイロットもいいな!」と思って、就職試験に挑戦したのですが、落ちました(笑)。映画会社にもインターンシップに行きましたが、先に中京テレビのアナウンサー職にご縁をいただきました。

 後編に続く

取材・文/齋藤有美(日経xwoman doors) 写真/セント・フォース提供

後編「磯貝初奈 話し方を注意されラジオ&バラエティーで学ぶ」では、次のストーリーを展開

■「オドぜひ」抜擢も不安でいっぱいの日々
■スタッフから「ラジオ聞いてないな」と指摘される
■ラジオ&バラエティーで話し方を学ぶ
■「ひらがな推し」から学んだこと
■アナウンサーとして大きな自信に
■推しが職場でコミュニケーションのきっかけに
■映画好きがそのままインタビューに生きた
■来年春から大学院で学ぶ