「普通が一番」という安定志向の女性が、理想と違うハードな仕事やドラマチックな恋愛に巻き込まれるうちに、いつしか仕事も恋も全力投球に…。華やかで過酷なファッション誌編集部を舞台に繰り広げられるお仕事&ラブコメディー、火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(以下、ボス恋)が1月12日からスタート(TBS系、午後10時)。後編では、主人公・奈未を演じる女優の上白石萌音さんと、奈未の鬼上司・敏腕編集長の麗子役で女優の菜々緒さんに、現在も直面している逆境経験やよりよいチームづくりの秘訣について聞きました。

(前編)ボス恋 上白石萌音×菜々緒 ベストな自分を保つ思考法
(後編)上白石萌音×菜々緒 『ボス恋』での新たな逆境と挑戦 ←今回はここ

取材日は12月下旬の日曜日。寒さ厳しい天候での終日ドラマ撮影後にも関わらず、笑顔で日経doors読者に向けて、心のこもったメッセージを送ってくれました。写真左:上白石萌音さん、写真右:菜々緒さん
取材日は12月下旬の日曜日。寒さ厳しい天候での終日ドラマ撮影後にも関わらず、笑顔で日経doors読者に向けて、心のこもったメッセージを送ってくれました。写真左:上白石萌音さん、写真右:菜々緒さん

自分を大切にすることは、他者を大切にすること

日経doors編集部(以下、――) 菜々緒さんは、トレーニングで体を鍛えているイメージが強いのですが、プロポーションを保つだけではなく、メンタルを整える上で体を鍛えるという目的もあったのでしょうか?

菜々緒さん(以下、敬称略) 私が体のケアをより意識するようになったのは、コロナ禍で自分の免疫力を高めたいと思い、通っている治療院の先生から「体は借りもの」という話を聞いてからですね。「人は亡くなって魂が抜けた後も体は残る。体は借りものなんだよね」という話を聞いたとき、私の中ですごく腑(ふ)に落ちて。借りているなら、自分でも大切にしないといけないと思いました。

 自分に対してケアをしたり、心と体を大事にしてあげたりするのは、今、これまで以上に気を付けるようにしています。食べ物に関しても、昔はあまり考えずに食べていましたが、食べたものが自分の一部になるのだったら、体にいいものを選んだほうがいい。そういう方向に意識が向くと環境への関心も深まり、「自分が買うものが、地球のための投票になる」という話にも共感して。自分を大切にすることは、他のものを大切にすることにもなると考え方が変わったときに、自分との向き合い方が変わりました

上白石萌音さん(以下、敬称略) 私もドラマの撮影期間にちょっとでも体にいい情報を仕入れようと、撮影のすき間時間に根掘り葉掘り菜々緒さんに聞いています。「今日のお昼は何食べるんですか?」「どれくらい食べるんですか?」「いい食品とかありますか?」と、「菜々緒メソッド」を取り入れたくて(笑)。今一番、気になっているのは甘栗です。菜々緒さんと話していると健康や美容への意識が高まるし、そこにいらっしゃるだけで意識が高まるんです!

菜々緒 (笑)。私も萌音さんから、すごく勉強させてもらっていますよ。タイプが正反対だからこそ、刺激し合えたり新しい発見があったり。萌音さんのすてきなところを私も見習いたいと思わせてもらっているので、すごく感謝しています。

―― 一期一会の出会いで影響し合えるのも、仕事の醍醐味ですね。上白石さんのどのようなところを、菜々緒さんは見習っているのでしょうか。

菜々緒 現場ですごく穏やかに、いつもにこにことされているところは勉強になりますね。萌音さんがいると、その場の雰囲気が自然とやさしくなり和らぐんです。私ももうちょっとこうなれたらいいなと思うのですが、私のキャラクターで全く同じようにはなかなかできません(笑)。穏やかにほほ笑むくらいかなって、自分のいいバランスを考えながら取り入れています。

上白石 菜々緒さんは、物事の一つひとつに対して深く考えていらっしゃるし、知識も幅広くあります。話すとどんどん聞きたくなっちゃうような、人間性の深さがあるんです。深い人間に私もなりたいので、すごく憧れますね。イメージでは凛(りん)としていて、笑ったりする人なのかなって思うんですが、実際にお会いするとめちゃくちゃ明るくて。現場にいらっしゃるだけでパッと華やぐので、かっこいいな、器が大きいなって。ドラマの中の麗子は怖いですが、菜々緒さんご自身は超理想のボスです(笑)。