総合コンサルティング企業・アクセンチュアで、女性初のCEO(社長)に就任したジュリー・スウィート氏が20年2月に来日し、東京で記者会見を開いた。世界で50万人を超える巨大組織を導くスウィート氏だが、会場では周囲に気配りし、優しい笑顔を絶やさずゆっくりと語り出した。カリスマ性を漂わせる新しいリーダーに、日経xwoman総編集長・羽生祥子がインタビューする。(上)ではジュリーCEOの経営方針を、(下)では同社のダイバーシティ戦略を聞いた。
(上)アクセンチュア女性社長ジュリー・スウィートの強みは? ←今回はここ
(下)ジェンダー平等経営、アクセンチュアが成功できた秘策
アクセンチュア 成長市場担当役員 ジャンフランコ・カサーティ(以下敬称略、カサーティ) 本日は、私が社長のジュリー・スウィートにインタビューする形で進めさせていただきます。まず、私たちがなぜ東京に来ているか、から聞かせて下さい。
アクセンチュア 最高経営責任者 (CEO)ジュリー・スウィート氏(以下、スウィートCEO) 昨年、CEOに着任すると決まってすぐ、アクセンチュアで働く50万人の社員の中のリーダーが集まる「グローバルマネージメントコミッティ」を日本で開催することを指示しました。私たちグローバルのメンバーは、アクセンチュア日本法人の江川昌史社長率いるチームが素晴らしい業績を成し遂げてきたことを認識し、さらに日本のクライアントからも学んでほしいと思ったからです。
成功の方程式は「変わる勇気」
グローバルマネージメントコミッティは本当に素晴らしい会議になり、エキサイティングな議論をたくさんしました。クライアントの皆さんとともに、より多くの価値を作っていきたいと思っています。
ところで、私自身が初めて日本に来たのは1989年のことで、当時はアメリカのスピーチ団体の代表をしていました。再び日本に戻ってくることができ、嬉しく思っています。
いつでも大切なのは「学び」だ
カサーティ ここで、 ジュリーという人物についてもう少し詳しく知りたいと思います。プライベートの話を聞きたいと思うのですがいかがでしょうか?
スウィートCEO 分かりました。私が自分の人生を振り返ったとき、印象に残っていることが3つあります。まず、母のことです。私は豊かな家庭で育ったわけではありません。母は高等教育を受けていませんでしたが、3人の子どもを育て、そのあと大学で学びました。母は、教育によってよりよい人生を送ることができることを見せてくれた存在です。
そのことから私は、アクセンチュアにおいてもコミュニティにおいても、学ぶということが大切であると信じています。