古い価値観はアップデートを

―― ドラマの序盤を見ていると、熱心に芝居に打ち込む久美に対して、夫は「劇団で芝居をするのは、お遊びだもんね」とちゃかしたり、「家事をきちんとやっていてくれるなら、芝居をしてもいいよ」と言ったりと、古い価値観を持っている男性かなと感じました。

足立 確かに今の時代に当てはめてみると、少し古い価値観かもしれませんね。女性の役割は家事をするだけではないし、外で仕事をするのは男性だけの役割でもない。役割に多様性がある時代ですよね。

 ただ、久美の夫には悪気はないのかもしれない、とも思いました。本人はその発言を悪いと思っていないし、妻を家に閉じ込めておこうなんて意地悪な考えはみじんもない。もしかしたら、「母親は家で家事をするもの」という家庭に育ったために、その思考の癖が抜けないのかもしれない。純粋に、ただそういった「思考の持ち主」であるだけなのかなと感じました。もちろん、今の時代では価値観をアップデートする必要はあると思うんですけどね。

「ドラマに出演している女性陣は、みな個性が強いキャラクターを演じていて、それぞれが違う『悪女』の部分を持っています。共感できる部分、できない部分があり見る人によっても受け取り方は多種多様だと思います。さまざまな『悪女』を楽しんでほしいです」
「ドラマに出演している女性陣は、みな個性が強いキャラクターを演じていて、それぞれが違う『悪女』の部分を持っています。共感できる部分、できない部分があり見る人によっても受け取り方は多種多様だと思います。さまざまな『悪女』を楽しんでほしいです」

取材・文/尾崎悠子(日経xwoman doors)写真/稲垣純也 ヘアメイク/杉村理恵子 スタイリスト/山本真里江 衣装協力/ブラウス、スカート(Lois CRAYON)ピアス(グロッセ)

ドラマ「悪女のすべて」
(BS松竹東急、土曜日23:00 ~ 23:30)現在放送中
下編「足立梨花 結婚後もありがとう言い合える関係を築きたい」では、次のストーリーを展開

■「若いお母さん」に憧れていたけれど
■結婚は「ありがとう」と「ごめんね」があれば
■芸能界の仕事は「これしかない」
■なくてはならない親友の存在