15歳で芸能界入りし、さまざまな番組で活躍中の俳優、足立梨花さん。前編では、俳優として厳しく指導された経験、ドラマ『悪女のすべて』(BS松竹東急)で演じた専業主婦を通じて感じた結婚生活に対して抱く価値観について教えてもらいました。

前編 足立梨花 15歳で芸能界、学生気分抜けず監督に大目玉 ←今回はここ
後編 足立梨花 結婚後もありがとう言い合える関係を築きたい

叱ってくれた監督に感謝

 足立梨花さんが出演するドラマ『悪女のすべて』は、有名監督が手がける映画のヒロインの座を巡り、とある田舎町の劇団員たちのさまざまな争いを描いた作品だ。有名監督の代わりに町へやってきた謎の女・百合園凛子(小沢真珠)を中心に、どろどろとした愛憎劇が繰り広げられていきます。

 足立さんが演じた主人公の玉野久美は、劇団に所属する平和主義な専業主婦。ドラマの役柄や、俳優として厳しく指導された経験、結婚生活の価値観について話を聞きました。

足立梨花さん
俳優、タレント。1992年生まれ。2007年、中学3年生のときに「第32回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞。2008年に映画『愛流通センター』で主演デビュー。CMやドラマ、映画に多数出演。バラエティー番組でも活躍中

編集部(以下、――) 足立さんが演じた、玉野久美役に共感できた場面はありましたか。

足立梨花さん(以下、足立) 久美は平和主義な専業主婦。一見平凡な人に見えるのですが、実はそうでもなくて。常識もあり周囲のことを常に考えていそうだけれど、自分中心に物事を考える面も多い人だと感じました。どちらかというと「悲劇のヒロイン」を演じるのが好きなタイプの女性で、自分の近くに久美のような人がいたら、友達にはなれないと思います(笑)。

「自分の近くに久美のような人がいたら、友達にはなれないですね(笑)」
「自分の近くに久美のような人がいたら、友達にはなれないですね(笑)」

―― ドラマでは、小沢真珠さんが演じる謎の女・百合園凛子が意地の悪い、厳しい人に感じました。これまでの俳優人生の中で、「厳しい」意見を言われた経験はありますか。

足立 私が芸能界の仕事を始めたのは15歳のとき。まだ高校生で、芝居については右も左も分からないような状況でした。

 初めてのドラマに出演したときだったかな……。共演者がセリフをかんでしまったときに、笑ってしまって。人がミスをする場面を笑ってはいけないのですが、なんだか妙におかしくて、笑うのを我慢できなかったんです。でもそれで、監督に大目玉をくらいました。自分の中ではしっかりやっていたつもりでも、芝居の現場では学生気分がまだ抜けていなかったのかもしれません。

 当時は、叱られても「なぜ、私ばかり怒られるんだろう?」と腑(ふ)に落ちないこともありました。自分はきちんと仕事をしていると思っていたけれど、周りには真面目にやっているようには見えなかったんでしょうね。今振り返ってみると、芝居の世界に入りきれていなかったのだと思います。あのとき、子どもだからと遠慮せずに、きちんと叱ってくれてよかったと今になって感じます。

 とはいえ、叱られても笑わないでいるのは難しくて。高校生の私にとって、笑いを我慢するのは大変でした(笑)。