プロジェクトはチーム構成で成否が決まる

古野 例えば、ミスなく堅実な仕事を積み重ねるのは「保全性」の特徴で、管理部門に向くと思われがちですが、経理部門のアウトソーシングが進めば、社員に求められるのは、どんなシステムをどこに発注するかを分析することや、外注する際にどこまでの情報をどの状態で外部に出すか、仕分けを厳格にできることになる。だとしたら合理的な思考が持ち味の「弁別性」の高い人のほうが向きます。

 同じ職種でも、フェーズによって、具体的な仕事内容によって、向く因子は違ってきます。だからFFS理論は、チーム組織論なんです。プロジェクトの成否は、個人に帰するのではなく、チーム構成次第で決まるのです。

 そこを見極めて人材配置されるべきなのに、何となく異動させて、「あいつはできる・できない」と個人の問題にしてしまうことに、私は憤りを感じているんですよ。

取材・文/中城邦子 写真/吉澤咲子

古野俊幸
ヒューマンロジック研究所・代表取締役
古野俊幸 1959年生まれ。関西大学経済学部卒業。新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年にFFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のための会社を設立。これまでに約800社以上の組織・人材の活性化支援を行い、チーム分析及びチーム編成に携わったのは60万人、約6万チーム。チームビルディングの第一人者。近著に『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』(日経BP)

【参照】
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宇宙兄弟xFFS診断【書籍購入者向け】
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