アートの1000本ノック

 「テレビやラジオの仕事を休むとスタッフの皆さんに伝えたときに、皆さん『待っているよ』と言ってくれたんです。自分は大好きな仕事を休んでいて、しかも待ってくれている人がいる。一時たりともムダにはしたくないと思い、仕事を止めたことの重みを感じていました。去年は国内外で美術館めぐりをとにかくしていました。スペインだったら『ソフィア王妃芸術センター』、パリでは『ポンピドゥー・センター』、ニューヨークなら『グッゲンハイム美術館』。アートの1000本ノックのような吸収をしました

母校で学び直し

 と同時に学び直しも敢行。かつて服作りを学ぶために通った文化女子大学(現・文化学園大学)短期大学部と同じ門をくぐり、夜間のオープンカレッジに通って服作りの基礎となるパターン制作を改めて学んだ。

 そして作品作りに取りかかると、心掛けたのはその道のプロの話を聞くことだった。

 「生地の加工を手掛けている会社に行き、その会社の方とどうすれば余り布を少なくできるかを考えたり、縫製工場に出向いていい方法はないかとリサーチしてみたり。それでも作品作りの過程では、知識の未熟さゆえの壁にぶつかり、そのたびにその道のプロに話を聞きに行き、解決していきました」

 こうして1年がかりで準備し、できあがったのは6点の作品だ。布全体をつなぎ合わせながら、グラデーション、レイヤー、バルーンと、多様な色合いとシルエットをつくりだしている。そしていざ展覧会へというところで、コロナショックが起きた。

展覧会では篠原さんがデザインから制作まで行った6点の衣装を公開した
展覧会では篠原さんがデザインから制作まで行った6点の衣装を公開した