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doors 旬のインタビュー

アジアの現代美術マーケットをけん引 寺瀬由紀

金融業界からアートの世界へ ZOZO創業者前澤友作氏のバスキア約125億円購入の立役者

外資系金融からアートの世界へ180度の転身

── 寺瀬さんはずっとアートの世界で働いていたというわけではなく、大学卒業後は金融業界で働かれていたそうですね。

寺瀬 私は新卒で外資系投資銀行のモルガン・スタンレー(現・MUFGモルガン・スタンレー)証券に入社し、M&Aアドバイザリー業務を担当していました。外資系なので比較的男女対等に仕事ができましたが、当時は残業はおろか徹夜も当たり前という超激務。仕事には非常にやりがいを感じていましたし、優秀な同僚たちから社会人のいろはを含めたくさんのことを学びました。しかし、いつかはアート業界にチャレンジしたいと思っていたのと、結婚・出産後のライフプランを考えると、この働き方はずっとはできないなと考え、思い切って退職しました。

 私は幼い頃からアートが好きで、大学進学の際はイギリスで美術を学んでアーティストになることも考えていたほどでした。最終的に日本の大学で学んでバンカーになったわけですが、結婚や出産などの大イベントを通して「自分が本当に好きなことを仕事にしたい」と改めて感じました。モルガン退職後は、生まれたばかりの子どもを連れてイギリスの大学院へ留学。アートの仕事をするために、美術史を1年間学びました。

モルガン・スタンレーを退職し、生まれたばかりの息子を連れて英国の大学院に美術を学ぶために留学
モルガン・スタンレーを退職し、生まれたばかりの息子を連れて英国の大学院に美術を学ぶために留学

 大学院卒業後、モルガン時代から親交のあったサザビーズ・ジャパンの社長から声をかけてもらい、サザビーズに転職することになりました。

── 金融とアートでは、全く違う世界が広がっていたのではないでしょうか。

寺瀬 全然違いましたね。あらゆる点でスピード感が重要な金融とは、時間の流れが明らかに違いました。アートはさまざまな領域にプロフェッショナルがいる、職人の世界でもあります。経験値がない業界で、一番下のポジションからのスタートだったので、モルガン時代に比べると、年収も桁がひとつ違うくらいに激減しました(笑)

 でも、新しく飛び込んだアートの世界で新人として一からスタートするつもりだったので、あまり気にならなかったですね。「やるべきことをやっていれば、お金は後からついてくる」と思っていました。

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