「幸せだな」と思う瞬間は?

―― 「おひとりさま」を満喫していたみつ子はある日、恋をする。一人のときも、二人でいるときも「ささやかな、この先もずっと続いていく幸せ」を大切にしている様子が印象的でした。皆さんにとって「幸せだな」と思う瞬間はいつでしょうか。

大九 ごはんを食べているとき。私、意外と撮影中の冷えたロケ弁(お弁当)が好きなんです。漬物一つ残さず、全部食べますよ。

 今回、とあるロケ地でのロケ弁が冗談みたいな量の多さだったんです。チャーハンとか、ものすごい量で。「私への挑戦かな?」って思うくらい(笑)。

 それを目の前に置かれるとスイッチが入ってしまい、必ず完食していました。食べ物の好き嫌いはあるけれど、えり好みをしたり、食べ物を捨てたりできなくて。「食べ物を体に入れることは喜びである」と思っています。

のん 私は、撮影など何も無い日の前日に、ご褒美としてポテトチップスを食べることが一番の幸せですね。普段は肌のために我慢をしているんですが、何もない日の前日は一袋全部食べますよ! 特にうすしお味が好きです。

綿矢 私はマッサージですね。首、肩が凝るので、一仕事終えたあとによく行きます。かっさ(中国の民間療法)とか、アジア圏で受けられるような痛いくらいのマッサージが好きですね。

 作品の中でも、私の経験が生きています。みつ子が整体院でマッサージを受けるシーンがあるのですが、そこでみつ子は整体師の女性に「つらい恋をしている女性の身体からは、山羊(ヤギ)のにおいがするんですよ」と言われています。これは私が実際に整体師の人から聞いたセリフ。不思議な言葉だなと、印象に残りました。